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“一票の格差” 岡山2区も衆院選「無効」

2013年3月27日 2:21
“一票の格差” 岡山2区も衆院選「無効」

 去年の衆議院選挙で最大2.43倍の「一票の格差」があったことについて、広島高裁岡山支部が26日、「違憲状態の放置は甚だしい怠慢であり、司法判断の軽視だ」として、岡山2区の選挙を無効とする判決を言い渡した。

 この判決について、岡山2区で当選した自民党・山下貴司議員は、「これは選挙制度、そして政治改革、これが今問われている話だと思いますね。選挙の効力が有効なのか無効なのかについては、最終的に最高裁のご判断があると思います」と述べた。

 一票の格差をめぐっては、全国で「選挙無効」を求める16件の訴訟が起きている。26日までに高裁で判決が出たのは15件で、うち13件については「違憲」や、その一歩手前の「違憲状態」としたものの選挙自体は有効としているが、25日の広島高裁と26日の広島高裁岡山支部は違憲とした上で、選挙も「無効」とした。

 選挙区ごとの一票の価値に最大で2.43倍の格差があった去年の衆議院選挙だが、無効判決が出た岡山2区では1.41倍、広島1区では1.54倍、広島2区では1.92倍と突出した数字ではない。

 これについて、元最高裁判事・濱田邦夫弁護士は「(一票の格差が)1.4倍か1.5かということをあまり考慮していないというのは、全体がやはり問題であると。全体の選挙制度そのものの、憲法上の合法性という視点が非常に強いですよね」と話す。

 さらに、広島高裁岡山支部の無効判決は、広島高裁の判決より一歩踏み込んだものとなった。判決の猶予期間について、広島高裁の判決は選挙無効による混乱がないよう一定期間の猶予を与えるものだったが、広島高裁岡山支部の判決は猶予期間を設けない「即時無効」。つまり、最高裁で無効判決が確定した場合、岡山2区の議員は直ちに失職する。

 しかし、濱田弁護士は「即時無効の効力が発生するというパターン、これは非常に混乱が生じますので、この立場を最高裁がとることはないと思う。『違憲であるけれども選挙は無効にしない』高裁でそういう判断がいくつか出ていますけれど、論理的には考えられる」と話した。