×

橋下市長「大阪・八尾空港にオスプレイを」

2013年6月6日 22:34
橋下市長「大阪・八尾空港にオスプレイを」

 6日朝、安倍首相と会談した大阪市の橋下市長らは、現在沖縄県の普天間基地に配備されているアメリカ軍の新型輸送機「オスプレイ」の訓練の一部を、大阪の八尾空港で受け入れることを提案した。

 橋下市長と大阪府の松井知事は、6日午前9時40分から1時間、首相官邸で菅官房長官と会談、安倍首相も最後の20分間同席した。

 会談を終えた橋下市長は「オスプレイの訓練について、本州でしっかりとみんなで負担を分かち合うために、まずは八尾空港を検討のテーブルにあげてほしい」と述べた。

 八尾空港は、大阪府東部にある人口27万人の八尾市に位置する。日本では珍しい、交差する2本の滑走路を持ち、密集した住宅などに囲まれている。現在、定期路線の運航はなく、遊覧飛行用の小型機やヘリコプターなどの離着陸に使われている。

 垂直離着陸を特徴とするオスプレイについて、政府は、すでに配備されている沖縄県以外にも訓練を移し、負担を分散させたい考えだが、現在受け入れているのは、山口県の岩国基地のみとなっている。

 八尾空港でのオスプレイの訓練の実現性について、政府関係者は「訓練が物理的に可能か」という空港施設自体の適合性の他、地元の理解があるかが重要になるとしている。

 八尾市民からは6日、「『何でここに』というのも全くないまま、ここに勝手に決まったような感じがするので、説明が足りないですね」「協力したいような、したくないような気持ちです」といった声が聞かれた。

 また、八尾市の田中市長は「国が八尾空港の安全性、あるいは合理的な理屈も含めてあれば、八尾市としても全く否定するものでは当然ありませんし。ただ、その辺のことが全く何もない中で今回の発言が行われていることに対して、非常に遺憾だというふうに思っているので」と述べている。

 今回の橋下市長の提案について、沖縄県民からは「大阪に持っていったからといって、(オスプレイの問題が)解決するとは限らないと思うんですよ」「八尾の方が反対するんじゃないですか」「いいことじゃないですか。防衛のことは日本全国で受け持つべきです」という声が聞かれた

 橋下市長は「実現可能性は、僕らは正直そこまで専門的知識がないから精査していません。政府と米軍が判断するところだと思います。重要なのは『検討をスタートさせましょう』というところです」とも述べている。

 菅官房長官は「沖縄の基地負担の軽減は考えるべき」として歓迎し、政府として検討する考えを示している。