シンガポールを訪問した安倍首相は３１日、リー・シェンロン首相と会談し、海洋進出を進める中国を念頭に国際法に基づいた平和的な解決の必要性で一致した。

　会談では中国が海洋進出を進める南シナ海情勢について、安倍首相が「国際法の順守と対話が重要だ」と述べたのに対し、リー首相は「全ての当事者に抑制した行動を求めたい」と応じた。また、安倍首相は集団的自衛権の行使容認にむけた日本の取り組みなどを説明した。

　安倍首相「積極的平和主義の取り組みとして、防衛装備移転３原則の策定や、集団的自衛権等と憲法の関係について検討を進めていることを説明した」

　リー首相「日米同盟を基盤とする、この地域の平和と安全保障をより強くする日本の積極的な貢献を歓迎したい旨、申し上げた」

　このほか、リー首相から福島第一原発の事故以来行っていた日本産食品の輸入制限の全面的な解除が表明された。

　一方、安倍首相は計画中のマレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道への日本の新幹線方式の導入に期待感を示した。