安保関連法案、審議入り 首相がリスク説明
後半国会の最大の焦点である安全保障関連法案の審議が26日の衆議院本会議で始まった。安倍首相は、法整備に伴う自衛隊のリスクについて問われ「国民の命と暮らしを守り抜くために自衛隊員に負ってもらうもの」と初めて説明した。
自民党・稲田政調会長「野党からは、総理が自衛隊員のリスクについて率直に説明すべきとの批判があります」
安倍首相「法制の中で、隊員のリスクを極小化するための措置をしっかりと限定しています。もちろんそれでもリスクは残ります。しかし、それはあくまでも国民の命と平和な暮らしを守り抜くために自衛隊員に負ってもらうものであります」
安倍首相はその上で、「法整備により得られる国全体、国民のリスクが下がる効果は非常に大きい」と述べ、自衛隊のリスクはあっても安保法制を整備する意義は大きいと強調した。
一方、民主党の枝野幹事長は、集団的自衛権の行使を限定的に認める新3要件に合致すれば、他国の領域でも武力行使が可能とする中谷防衛相と安倍首相の答弁は矛盾するのではないかとただした。これに対し、安倍首相は「海外派兵は一般的に認められないが、機雷掃海は例外である」と主張し、ミスリードにはあたらないと反論した。
また、本会議に引き続き、関連法案を審議する特別委員会も行われる予定だったが、岸田外相が現れず、約15分にわたり委員会が開けなかった。遅れてきた岸田外相が「連絡不十分によるもの」だと陳謝し、開会されるという冒頭から異例の事態となった。