【全文】中国への水際対策緩和「入国者の一部を対象とするサンプル検査に」官房長官会見(2/27午後)
松野官房長官は、27日、中国本土便による入国者に対する水際対策について、あさって3月1日から「入国時の全員検査を一部を対象とするサンプル検査とする」と発表しました。中国出国前に行う陰性証明の提出は引き続き求めます。
<会見トピックス>
▽冒頭:新型コロナウイルスに関する水際対策
▽安定的皇位継承の議論
▽来年度予算案
▽TikTok規制
▽子ども予算倍増
〇松野官房長官
新型コロナウイルスに関する水際対策について申し上げます。昨年12月30日以降の臨時的な措置として、中国における感染状況の急速な悪化に加え、詳細な状況の把握が困難なことを踏まえ、陰性証明書の提示や入国時検査を課し、陽性者のゲノム解析を行ったところであります。これらの措置を2か月近く講じてきたことにより入国者の陽性率が比較的低い水準で推移するとともに、これまでに水際で確認された変異株はすべて日本で検出歴のあるオミクロン系統であるという知見が蓄積されてきています。こうした知見の蓄積や各国の水際措置の状況を踏まえ、現行の新型コロナの流入抑制と変異株サーベイランスの機能を維持しつつ、往来円滑化のため、3月1日から臨時的な措置の実施方法を変更することとします。具体的には、新型コロナの流入抑制のため、中国本土便による入国者に対する陰性証明書の提出は引き続き求めることとします。その上で、変異株サーベイランスのため、入国時の全員検査を中国本土便による入国者の一部を対象とするサンプル検査とします。さらにこの変更に伴い、検疫体制が維持できることを確認した上で、中国本土便を含め、成田・羽田・関空・中部の4空港以外への到着と増便を認めることとします。当面今回の措置を行いながら、中国の感染状況や主要国の水際措置の状況等を見つつ、柔軟に対応していく考えであります。なおこれらの措置の詳細については後ほど、事務方から説明いたします。わたくしの方から以上でございます。
――中国への水際対策の緩和について伺います。政府内ではこの間、中国の感染状況は不透明だという指摘もありましたけれども、現下の感染状況と中国側の公表のあり方についての認識をお聞きします。また出国時の検査などを含め、さらなる緩和についての検討、方針もあわせて伺います。
〇松野官房長官
先ほど述べた通り、今回の実施方法の変更は、臨時的な措置による知見の蓄積や各国の水際措置の状況を踏まえて行うものであります。中国の感染状況については、政府としても鋭意、情報を収集していますが、昨年12月下旬をピークとして、それ以降は減少傾向にあるとのデータも中国側から発表される中で、重症化リスクの高い人々への影響について懸念もあると承知しており、引き続き注視が必要な状況と考えています。また今後の検討方法についてのお尋ねについては、先ほど述べた通り、当面今回の措置を行いながら、中国の感染状況や各国の水際措置の状況等を見つつ、柔軟に対応していく考えであります。
――水際対策に関連してインバウンドについて。1月の訪日外国人は約150万人で回復傾向にあります。今回の水際措置の緩和でインバウンドにどのような影響が出ると見ているのか、政府の見解や期待について伺う。
〇松野官房長官
インバウンドについて、本年1月の訪日外国人旅行者数は149万7300人であり、昨年10月以降4ヶ月連続で増加するなど、堅調に回復しているものと受けとめています。今回の措置の影響については、中国側による団体観光目的の出国制限が現在も継続中であることにも留意し、今後、見きわめていく必要がありますが、政府としてはインバウンドを回復・拡大させ外国人旅行者の国内需要5兆円の早期達成を目指すこととしており、観光地の魅力向上など集中的な取り組みを進めていく考えであります。
――確認ですが、3月1日の午前0時からでよろしいでしょうか。
〇松野官房長官
3月1日の午前0時からということでございます。
――安定的皇位継承の議論について伺います。昨日の自民党大会で岸田総理は日本国民の統合の象徴である、皇室の安定的な皇位継承を確保するための方策の対応も先送りできない課題で、国会における検討を進めると話しました。各党の立ち位置の隔たりが大きいままですが、具体的にどのような議論を進展させていくのでしょうか。
〇松野官房長官
「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する付帯決議」に関する有識者会議は、付帯決議に示された課題について、大変丁寧に議論を尽くし、令和3年12月に報告書を取りまとめていただきました。政府としては、この報告書を尊重することとし、昨年1月、岸田総理から衆参両院議長に対して報告を行ったところであります。付帯決議においては、政府の報告を受けた場合、国会は安定的な皇位継承を確保するための方策について、立法府の総意が取りまとめられるよう検討を行うものとされており、現在、衆参両院議長のもとで検討が行われているものと承知をしています。ご指摘の発言は、自民党総裁としての発言と承知していますが、政府としては、国会でのご議論の結果を踏まえて必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
――予算案について伺います。自民党と立憲民主党の国対委員長会談が行われ、明日、来年度予算案を予算委員会と衆院本会議で採決するということで合意しました。予算案は与党の賛成多数で可決され、これにより年度内成立が確実という情勢になりました。これについての受け止めをお願いします。
〇松野官房長官
令和5年度予算については、1月23日に提出された後、国会において精力的にご審議をいただいてきました。令和5年度予算は、防衛力の抜本的な強化、子ども子育て支援の強化、物価高に負けない賃上げに向けた支援、DX、GXなど我が国が直面する内外の重要課題に対して道筋をつけ、未来を切り拓くために必要なものであります。政府としては、本予算に盛り込まれた政権の重要課題に対する取り組みについて、国民の皆様にご理解いただけるよう引き続き丁寧な説明に努め、その上で、本予算の1日も早い成立に向けて尽力してまいりたいと考えております。
――水際の関連で。マカオ・香港からの渡航者への対応も確認させてください。
〇松野官房長官
詳細につきましては関係省庁にお尋ねいただきたいと思います。
――午前中の質問でも出たが、公用端末の取り扱いの関係で伺う。政府端末で機密情報を扱う場合はTikTokなどのSNSは扱えないということだが、他のサービスや、アプリは例えばどういったものがあるのか、いつから禁止しているのか。
〇松野官房長官
お尋ねにつきましては、特定の国や企業のサービス等を対象としているものではなく、サイバーセキュリティの確保の観点から必要な措置を講じることとしているものであり、個別のSNS等について言及することは差し控えさせていただきます。
――衆院予算委員会の答弁で、子ども予算倍増について予算の倍増の根拠は必要な政策と並べられて予算案がいくらか確認した上で大枠を示すといわれたが、6月に決まるパッケージの総額の倍増の基準になるという理解でよいのか、意味合いをお伺いいたします。
〇松野官房長官
私がご指摘の発言について、今、詳細に承知はしておりません。