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【全文】気球型飛行物体「中国の無人偵察用気球と強く推定」官房長官会見(2/15午前)

2023年2月15日 15:16
【全文】気球型飛行物体「中国の無人偵察用気球と強く推定」官房長官会見(2/15午前)

松野官房長官は15日午前、過去に日本の領空内で確認された気球型の飛行物体について、「さらなる分析を重ねた結果、当該気球は、中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定されるに至った」と述べた上で、中国政府に対して「領空侵犯は断じて受け入れられない旨申し入れた」と述べました。

<会見トピックス>
▽無人偵察用気球
▽中国公船のレーザー照射

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――中国の気球ついてうかがいます。防衛省は過去に日本上空で目撃された気球型の飛行物体について、「中国の無人偵察用気球だと強く推定される」と発表しました。中国に求めることなど、政府見解と、これらのケースでは領空侵犯がなされたと判断しているのか、同盟国との連携など同種事案に備えた対策といった今後の対応を伺います。

○松野官房長官
過去に我が国領空内で確認されていた特定の気球型の飛行物体について、政府として、さらなる分析を重ねた結果、当該気球は、中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定されるに至りました。これを受け、外交ルートを通じて、中国政府に対して事実関係の確認を求め、今後このような事態が生じないよう強く求めるとともに、外国の無人偵察用気球等による領空侵犯は断じて受け入れられない旨申し入れました。政府としては、今後とも、外国政府の無人偵察用気球を含め、同盟国同志国と、緊密に連携しつつ、これまで以上に情報収集、警戒監視に努めてまいる考えであります。

――関連しまして、2020年、宮城などで白い球体が目撃された際に、当時の河野防衛大臣は記者会見で安全保障に影響はないと述べておられましたけれども、当時の認識、対応の妥当性について見解を伺います。また今回の件で中国政府に事実か関係の確認等を行ったということですけれども、現時点までに、中国側から何らかの回答は届いているのでしょうか。

○松野官房長官
ご指摘の事例について、当時の河野防衛大臣の発言は、飛行物体の所属を含めた詳細について所要の分析を得る必要があること、当時国民の生命や財産に直ちに危険が及ぶような事象は確認されなかったことを受けてるものだと承知をしています。そして、さらなる分析を重ねた結果、今般これらの飛行物体は、中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定されるに至りました。今後とも、外国政府の無人偵察用気球を含め、これまで以上に情報収集、警戒監視に努める所存であります。また、外交上のやりとりについて、詳細についてはお答えを差し控えさせていただきます。

――関連してお伺いします。今回、中国の気球だと強く推定されるというふうにされた理由というのは何かあるんでしょうか、教えてください。

○松野官房長官
政府として、これまで大きな関心を持って気球の情報収集、分析を実施してきました。その上で、さらなる分析を重ねた結果、過去、我が国領空内で確認されていた気球について中国が飛行させた無人偵察用気球と強く推定されるに至ったことから、今回公表を行ったものであります。これ以上の分析のプロセスの詳細についてはお答えを差し控えさせていただきます。

――2022 年 1 月に九州西方の公海上でも確認したという風に発表をされていますけれども、それについては今回、中国の関与は確認されていないということなのでしょうか?

○松野官房長官
これまで大きな関心を持って気球の情報収集分析を実施してきました。その上で更なる分析を重ねた結果、令和元年11月20日の鹿児島県上空、令和2年6月17日の宮城県上空、令和3年9月3日の青森県上空を含め、過去に我が国領空内で確認されていた特定の気球型の飛行物体については、中国が飛行させた無人偵察用気球と強く推定するに至りました。今、一例として申し上げた事例以外について申し上げることは、我が国の情報収集能力などが明らかになるため、お答えは差し控えさせていただきます。

――気球について昨日の公表が夜遅くになった理由は。また米国の事例では中国外務省が当初民間用の使用目的と説明していたが、米国は中国軍の関与を認定した。日本のケースの場合は軍の関与は、中国政府の関与を認定しているんでしょうか。

○松野官房長官
詳細につきましては、防衛省の方にご確認いただきたいと思います。

――防衛省の方で2月3日に防衛省報道官が会見で、これまで気球による領空侵犯について確認して公表した事実はないと述べていて、この発言と今回の発表と整合性と言いますか、防衛省は少なくとも2月3日までは中国の関与を把握していなかったと言うことでよろしいのでしょうか。アメリカが撃墜したと言うことを受けて改めて振り返ったところ、中国の関与が認められるという風にそういう風に至ったのかと言うこと、あと当時からこれまでの対応に不備はなかったという認識なのかお願いします。

○松野官房長官
過去に我が国領空内で確認されていた特定の気球型の飛行物体についてはその所属を含めた詳細について、所要の分析を継続してきたところであります。分析のプロセスの詳細についてはお答えを差し控えさせていただきますが、さらなる分析を重ねた結果として、今般、これらの飛行物体は中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定されたことから公表を行ったものであります。ご指摘の防衛省における会見内容と矛盾はありません。

――今回、3つの件については推定されるということだが、当時無人の偵察用気球が実際に偵察活動を行っていたのかどうかは確認しているのか。

○松野官房長官
詳細につきましては、防衛省等、関係省庁に確認をいただきたいと思います。

――今回その3つの件については「推定される」ということだが、当時、無人の偵察用気球が実際に偵察活動を行っていたのかどうかは確認されているのか。

○松野官房長官
詳細につきましては防衛省等に、関係省庁に確認をいただきたいと思います。

――南シナ海での中国公船のレーザー照射について。南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島周辺で、中国海警局の公船がフィリピン沿岸警備隊の公船に対して、軍用級のレーザーを照射し、フィリピン側が強く抗議するという事態になっています。その点についての受け止めをお願いします。また尖閣諸島周辺の東シナ海でも中国海警局が日本領海への侵入を繰り返すなどしていますけれども、日本の公船に対して同様の被害があったという事例はあるのでしょうか。

○松野官房長官
ご指摘の件を含め、中国による南シナ海における活動については懸念を持って注視しています。南シナ海を巡る問題は地域の平和と安定に直結し、我が国を含む国際社会の正当な関心事項であり、我が国としては南シナ海の緊張を高めるいかなる行為にも強く反対します。今後とも自由で開かれた平和な海を守るため、引き続きASEAN諸国や米国をはじめとする国際社会と連携していきます。東シナ海における同様の事態に関するお尋ねについては、これまで海上保安庁の巡視船が中国海警局に所属する船舶からレーザー照射を受けた事実は確認されていないと承知しています。