×

【全文】日銀総裁人事案「適切な金融政策運営を行われる方を念頭に」(2/14午後)

2023年2月14日 17:55
【全文】日銀総裁人事案「適切な金融政策運営を行われる方を念頭に」(2/14午後)

松野官房長官は14日午後、次期日銀総裁に植田和男氏を起用する人事案を国会に提示したことについて「引き続き政府との連携のもと、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、適切な金融政策運営を行われる方を念頭に検討を行ってきた」と述べました。

<会見トピックス>
▽次期日銀総裁の人事案
▽気球などの飛行物体
▽マイナンバー保険証

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――日銀の人事について伺います。政府は総裁に経済学者の植田和男氏を、副総裁に氷見野良三氏と内田眞一氏を充てる案を国会に提示しました。それぞれ起用する狙いと今後日銀に期待する金融政策について伺います。

○松野官房長官
日本銀行の総裁、副総裁候補の人選にあたっては、引き続き政府との連携のもと、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、適切な金融政策運営を行われる方を念頭に検討を行ってきました。加えて、リーマンショック後には主要国中央銀行トップとの緊密な連携や内外の市場関係者に対する質の高い発信力、受信力といった点が格段に重要になってきていることも十分に考慮して人選を進めたところであります。こうした観点から、日銀総裁の候補者として、国際的にも著名な経済学者であり、金融分野に高い見識を有する植田和男氏を選任したものであります。また副総裁の候補者として、日銀や金融庁等において要職を歴任し、金融政策、金融行政等に豊富な経験や知識を有している内田眞一氏及び 氷見野良三を選任したものです。政府としては引き続き、政府と日銀が一体となって物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現に向け取り組んでいくことが必要と考えています。金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきと考えていますが、日銀には引き続き政府との連携のもと、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、適切な金融政策運営を行われることを期待しています。

――今回の日銀総裁人事案について雨宮副総裁が最後まで政府の打診を固辞したために植田氏を起用したとの一部報道があります。政府として雨宮氏に打診して固辞されたとの事実はあるのか?

○松野官房長官人事の具体的な検討プロセスについてお答えすることは差し控えさせて頂きます。

――気球について。アメリカでは気球に対して激しい反応が見られまして、日本政府は気球の脅威をどの程度というふうに見ていらっしゃるのか。2020年に河野防衛大臣が安全保障上を問題なしというふうにおっしゃっているが、その評価は今も継続しているか。

○松野官房長官
米軍の発表によれば、米軍は今月に入って4回、気球などの飛行物体を撃墜した旨を発表しており、政府としても関連の動向を注視しているところであります。気球の飛行なども含めた我が国の安全にかかわる諸々の動静については、政府としても大きな関心を持って、情報収集分析を行っていきます。いずれにせよ、引き続き我が国及び、その周辺の上空についての警戒監視を切れ目なく行い、対応に万全を期していく考えであります。

――将来において、気球が脅威になりそうな展開は予想が立っているのか。また、アメリカでは一部の気球がちゃんと捉えられなかったのでレーダーの探知感度を上げているということなのだが、日本では同様にレーダーの感度を上げたりはしているのか。

○松野官房長官
先ほど申し上げましたけれども、政府として大きな関心を持って情報収集分析を行っていくということであります。レーダーの感度についてのご質問につきましては、我が国の警戒監視レーダーの運用の詳細については手の内にあたることからお答えを差し控えさせていただきます。いずれにせよ無人機や気球といった多様な手段による、我が国の領空への侵入の恐れがます中、国民の生命、および、財産そして、我が国の主権を守るため、より、一層厳正に対処していく考えであります。

――2022年1月に九州西方の公海上で自衛隊機が確認した気球について、中国の偵察気球の可能性が高いと政府が分析しているとの一部報道がありますが、それについての事実関係をお願いします。

○松野官房長官
令和4年1月、九州西方の公海上空において、警戒監視活動に従事している哨戒機が所属不明の機器を確認しました。この気球の詳細については、引き続き分析を進めているところであります。また、自衛隊の対応を含めて、これ以上の詳細については、我が方の情報収集能力や警戒監視態勢などが明らかになることから、お答えを差し控えさせていただきます。いずれにせよ、防衛省自衛隊においては、この気球を確認した際も含め、平素から警戒監視に万全を期すとともに、大きな関心を持って気球の情報収集分析を行ってきているところであります。引き続き、国民の生命および財産、そして我が国の主権を守るため、より一層厳正に対処していく考えであります。

――マイナンバー保険証の関連で伺います。マイナンバー保険証を持たない人に発行する資格確認書について、政府内では有料で発行するという案も出ていましたけれども、最終的には無料とする方針を固めたとの一部報道があります。その事実関係をお願いします。またそもそもマイナンバーを普及させるために、既存の保険証を廃止するのに、新たに資格確認書を発行すること自体無駄だという指摘もあるが、それについての見解もお願いします。

○松野官房長官
マイナンバーカードで受診することにより、患者ご本人の健康・医療に関するデータに基づいた、より適切な医療を受けていただくことが可能となるなど、マイナ保険証は医療DXに必要な取り組みであります。そのため、今後はマイナンバーカードによる受診が基本となり、従来の健康保険証は廃止するものであります。一方、何らかの理由でマイナンバーカードによる資格確認をできない場合にも、保険診療を確実に受けられるための対応策を用意する必要があり、資格確認書の発行を検討しています。資格確認書はあくまでマイナンバーカードによる資格確認をできない場合に用いるものであり、現在、多くの方が利用されている従来の保険証とは異なるものになると承知をしています。資格確認書の具体的なあり方については、マイナンバーカードを巡る全体のあり方とあわせて、関係省庁において検討中であると承知しています。