安保法案で攻防緊迫 野党は徹底抗戦
安全保障関連法案を審議する参議院の特別委員会は17日午前9時過ぎから開会したが、鴻池委員長に対する不信任動議が提出され、現在、取り扱いを協議するなど混乱が続いている。
民主党などは17日午前9時45分、鴻池委員長が職権で委員会を開会し、質疑を終局させようとしたことに猛反発して不信任動議を提出し、鴻池委員長は自民党の佐藤理事に委員長職を委託した。議事を進めようとした佐藤理事に野党議員が猛反発してつかみかかるなど、委員会室は一時騒然となった。
その後、委員会は休憩となり、着席していた安倍首相らも退席した。現在、理事会も休憩となっているが、まもなく再開し、不信任動議の扱いについて協議することにしている。
まさに長期戦の様相となっているが、こうしたことを受けて、衆議院自民党の佐藤国対委員長は17日朝の会議で「参議院は努力しているが当然60日ルールを視野に入れていかないといけない」と述べ、国会内で待機中の安倍首相とも会談した。「60日ルール」は、参議院で60日間採決が行われない場合、衆議院で再可決できるというもの。なんとしても今週中に法案を成立させたい政府・与党が、参議院へのプレッシャーを強めている形だ。
一方、国会周辺では17日も雨の中、多くの人が安保関連法案に反対の声をあげている。与党側は、17日中に採決に踏み切る構えだが委員会再開の見通しは立っていない。