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【全文】岸田首相が所信表明演説 臨時国会きょう召集

2022年10月3日 15:12
【全文】岸田首相が所信表明演説 臨時国会きょう召集

岸田政権の発足後、初めての本格的な論戦の場となる臨時国会が3日から始まりました。岸田首相は3日午後、所信表明演説を行いました。

以下、演説の全文です。

◇ ◇ ◇

■はじめに

第二百十回国会の開会に臨み、日本を守り、未来を切り拓く覚悟を新たにしています。

足下の物価高への対応に全力をもって当たり、日本経済を必ず再生させます。多層的な外交の展開と防衛力の抜本的強化を通じて、アジアと世界の平和と安定を断固守り抜いてまいります。

世界規模の物価高。急速に厳しさを増す、安全保障環境。

二年半にもわたって世界を苦しめてきている感染症危機や、エネルギー・食料危機、さらには、温暖化による気候危機。

半年以上も緊迫した情勢が続く、ロシアによるウクライナ侵略。

国際秩序を揺るがす、地政学的挑戦。大きな変わり目を迎える、核不拡散体制。

今、日本は、国難とも言える状況に直面しています。

世界が、そして日本が直面する歴史的な難局を乗り越え、我が国の未来を切り拓くため、政策を一つひとつ果断に、かつ丁寧に実行していきます。

どんな困難も、皆が力を合わせ、一歩一歩前に進むことで、必ず乗り越えることができる。

先日訪問した福島で、私はその思いを一層強くいたしました。

長期にわたり、帰還が困難とされた区域への住民の帰還。

五十五の国と地域のうち、四十三の国と地域での輸入規制の撤廃。

産業創出の拠点となる、福島国際研究教育機構の設立。

私に、復興に向けた強い思いを語ってくれた町役場の職員。

福島を、「ワクワクするような地域にしていきたい」と語ってくれた移住してきた若者。

多くの皆さんの力により、福島は、着実に、復興に向け、歩みを進めています。

東日本大震災という未曾有の国難からも立ち上がることができました。そうであれば、今我々が直面する困難も、必ずや乗り越えていける。私は、そう確信しています。

共にこの国の未来を見据え、歩みを進めていこうではありませんか。

■政治姿勢

先週執り行った安倍元総理の国葬儀は、厳粛かつ心のこもったものとなりました。海外からお越しになった多数の参列者の方々から寄せられた弔意に対し、礼節をもって、丁寧にお応えすることができたと考えております。その際、国民の皆様から頂いた様々な御意見を重く受け止め、今後に活かしてまいります。

また、旧統一教会との関係については、国民の皆様の声を正面から受けめ、説明責任を果たしながら、信頼回復のために、各般の取組を進めてまいります。

政府としては、寄せられた相談内容を踏まえ、総合的な相談窓口を設け、法律の専門家による支援体制を充実・強化するなど、悪質商法や悪質な寄附による被害者の救済に万全を尽くすとともに、消費者契約に関する法令等について、見直しの検討をいたします。

国民の皆様からの厳しい声にも、真摯に、謙虚に、丁寧に向き合っていくことをお誓いいたします。「厳しい意見を聞く」姿勢にこそ、政治家岸田文雄の原点があるとの初心を、改めて肝に銘じながら、内閣総理大臣の職責を果たすべく、全力で取り組んでまいります。

■経済政策

日本経済の再生が最優先の課題です。

我が国は、コロナ禍を乗り越え、社会経済活動の正常化が進みつつあります。しかし、足下では、ロシアによるウクライナ侵略と円安によるエネルギー・食料価格の高騰、世界の景気後退懸念が、日本経済の大きなリスク要因となっています。

新しい資本主義の旗印の下で、「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、「成長のための投資と改革」の三つを重点分野として取り組んでいきます。

■物価高・円安対応

まず、「物価高・円安への対応」です。

我々は、食料品とエネルギーを中心に、生活に身近な商品の値上がりが続く事態に対し、機動的な対応を行ってきました。

先月には、食料品やガソリンの値上がりを抑えるための追加策を取りまとめました。特に家計への影響が大きい低所得世帯向けに、緊急の支援策を講じました。

間を空けることなく、今月中に、総合経済対策を取りまとめ、何としても、この物価高から、国民生活と事業活動を守り抜きます。

食料品については、既に輸入小麦価格、配合飼料の負担を十月以降も据え置く置を講じています。

これから来年春にかけての大きな課題は、急激な値上がりのリスクがある電力料金です。家計・企業の電力料金負担の増加を直接的に緩和する、前例のない思い切った対策を講じます。

さらには、エネルー安定供給の確保、再エネ・省エネの推進、農産物の国内生産を通じた食料安全保障の確保など、エネルギー・食料品について、危機に強い経済構造への転換に取り組みます。

円安に対しては、これらの対応と併せ、円安のメリットを最大限引き出して、国民に還元する政策対応を力強く進めます。

今月十一日から、ビザなし渡航、個人旅行再開など、インバウンド観光を復活させ、訪日外国人旅行消費額の年間五兆円超の達成を目指します。全国旅行支援やイベント支援も再開し、コロナ禍からの需要回復、地域活性化を図ります。

さらに、円安メリットを活かした経済構造の強靭化を進めます。半導体や蓄電池の工場立地、企業の国内回帰や、農林水産物の輸出拡大などに取り組みます。

■構造的な賃上げ

次に、「構造的な賃上げ」です。

なぜ、日本では、長年にわたり、大きな賃上げが実現しないのか。

そこには、賃上げが、高いスキルの人材を惹きつけ、企業の生産性を向上させ、更なる賃上げを生むという好循環が機能していないという、構造的な問題があります。

一たび、このサイクルが動き出せば、人への投資が更に進み、この好循環は加速していきます。

そのため、賃上げと、労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題の一体的改革を進めます。

物価高が進み、賃上げが喫緊の課題となっている今こそ、正面から、果断に、この積年の大問題に挑み、「構造的な賃上げ」の実現を目指します。

まず、官民が連携して、現下の物価上昇に見合う賃上げの実現に取り組みます。

公的価格においても、制度に応じて、民間給与の伸びを踏まえた改善等を図るとともに、見える化を行いながら、看護、介護、保育をはじめ、現場で働く方々の処遇改善や業務の効率化、負担軽減を進めます。

また、リスキリング、すなわち、成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の職能給から、日本に合った職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針を、来年六月までに取りまとめます。

特に、個人のリスキリングに対する公的支援については、人への投資策を、「五年間で一兆円」のパッケージに拡充します。

あわせて、同一労働同一賃金について、その遵守を一層徹底してまいります。

新しい働き方に対応するため、個人が、フリーランスとして、安定的に働ける環境を作るべく、法整備にも取り組みます。

また、中小企業における賃上げに向け、生産性向上とともに、公正取引委員会等の執行体制を強化し、価格転嫁を強力に進めます。

■成長のための投資と改革

そして、「成長のための投資と改革」です。

社会課題を成長のエンジンへと転換し、持続的な成長を実現させる。この考えの下、科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX、DXの四分野に重点を置いて、官民の投資を加速させます。

第一の科学技術・イノベーションについては、国家戦略・国家目標の策定を進めてきた、量子・AI・バイオなどの分野において、官民の投資をこれまで以上に進めていくための方策を、早急に具体化します。

また、文理の枠を超えて行う、成長分野への大学等の学部再編促進や、若手研究者の育成に向けた支援強化、処遇見直しを通じた教職員の質の向上にも取り組みます。

第二のスタートアップについては、私自身、全国各地で、多くのスタートアップの創業者と意見交換を行ってきました。

日本ならではの技術を用いた最先端のバイオものづくり。IT技術を活用しながらの地域課題の解決。東南アジアでの積極的な事業展開。福島の地でのロボットの遠隔操作技術の開発。

いずれの皆さんも、この国の未来を切り拓いていくにふさわしい、大変頼もしい方々ばかりでした。

第二、第三のトヨタ、ホンダ、ソニーは、彼ら挑戦者の中から生まれる。その強い思いから、本年をスタートアップ元年とし、スタートアップ五年十倍増を視野に、五か年計画の策定に取り組んでいます。

公共調達における優遇制度の抜本拡充、税制上の優遇措置や資金面の支援に加え、若く優れたIT分野の才能の発掘・育成、日本と海外のスタートアップ・エコシステムの接続など、スタートアップ人材への投資も進めます。

第三に、グリーン・トランスフォーメーション、GXへの投資です。

年末に向け、経済・社会・産業の大変革である、GX推進のためのロードマップの検討を加速します。

その中で、成長志向型カーボンプライシング、規制制度一体型の大胆な資金支援、トランジション・ファイナンス、アジア・ゼロエミッション共同体。これまで申し上げてきた政策イニシアティブを具体化していきます。

同時に、GXの前提となる、エネルギー安定供給の確保については、ロシアの暴挙が引き起こしたエネルギー危機を踏まえ、原子力発電の問題に正面
から取り組みます。

そのために、十数基の原発の再稼働、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設などについて、年末に向け、専門家による議論の加速を指示いたしました。

第四に、デジタル・トランスフォーメーション、DXへの投資です。

デジタル田園都市国家構想の実現に向けた取組を競い合う、「夏のDigi田甲子園」を開催しました。

多くの方に参加いただき、デジタル活用による地方創生に向けた期待の高まりが、感じられる大会となりました。

DXの一層の推進に向け、マイナンバカードについて、健康保険証との一体化など、利便性の向上を飛躍的に進め、概ね全ての国民への普及のための取組を加速するとともに、地域でのデジタル技術の社会実装を重点的に支援していきます。

また、メタバース、NFTを活用したWeb 3.0 サービスの利用拡大に向けた取組を進めます。

産業のコメと言われ、大きな経済効果、雇用創出が見込まれ、経済安全保障の要でもある半導体は、今後特に力を入れていく分野です。

熊本に誘致したTSMCの半導体工場は、地域に十年間で四兆円を超える経済効果と、七千人を超える雇用を生む、と試算されています。

我が国だけでも、十年間で十兆円増が必要とも言われるこの分野に、官民の投資を集めていきます。

今回の総合経済対策では、中核となる日米共同での次世代半導体の技術開発・量産化や、Beyond5Gの研究開発など、最先端の技術開発強化を進めます。規制改革にも取り組みます。

二年で、アナログ的規制を一掃し、新産業の創出、人手不足の解消、生産性の向上や所得の増大につなげます。

■新型コロナ

ここで、新型コロナ対応についても申し上げます。

この一年、国民の命と健康を守りながら、社会経済活動を止めない。専門家の皆さんの意見を聞きながら、この二つの両立に全精力を傾けてまいりました。

三年ぶりに、緊急事態宣言等の行動制限を行わずに、今年の夏を乗り切れたのは、国民の皆様お一人おひとりが、基本的な感染対策を徹底してくださったおかげです。

また、日々の感染リスクがある中で、医療、福祉の現場を支えていただいている方々に、厚く御礼申し上げます。

これから、秋が深まるにつれ、インフルエンザと新型コロナが同時流行した時の備えが重要となります。

何よりも重要なのは、ワクチンによる予防です。

先月から、オミクロン株に対応した新型ワクチンの接種を開始しました。今月末までには、対象者全員分の新型ワクチンが輸入される見込みです。

年末年始に備えて、山場となる今月から十一月にかけて、接種券の配布、会場確保など、一日百万回を超えるペースの体制を整備して、ワクチン接種を加速していきます。

インフルエンザとの同時流行を想定した外来等の保健医療体制の確保も進めます。

また、先月には、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像をお示ししました。科学的知見に基づきながら、できるだけ平時に近い社会経済活動が可能となるよう、取り組んでまいります。

マスクについては、引き続き、屋外は原則不要です。近くで会話をしない限り、屋外でのマスクは必要ありません。基本的な感染対策はメリハリをつけて、マスクは場面に応じた適切な着脱に努めていただきたいと思います。

これらの取組に加え、次の感染症危機に備え、法律に基づき、機動的かつ効果的な緊急時対応が可能となるよう、感染症法等の改正案を提出いたします。また、司令塔機能の強化、日本版CDCの創設にも取り組んでいきます。

■災害対策

今年も、全国各地で、大雨、台風、地震、噴火などの自然災害が相次ぎました。お亡くなりになられた方々に、哀悼の意を表するとともに、被災された全ての皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

線状降水帯による豪雨など、災害が、激甚化・頻発化する中で、国民の生命・財産を守り、災害の被害に遭う方を、一人でも減らすことは、我々の使命です。

五か年加速化対策を推進するとともに、更なる取組のための新たな基本計画を策定し、中長期的かつ継続的に、防災・減災、国土強靱化に取り組みます。

■包摂社会の実現

また、新しい資本主義を支える基盤となるのは、老若男女、障害のある方もない方も、全ての人が生きがいを感じられる多様性のある社会です。

全世代型社会保障の構築を進め、少子化対策、子育て・こども世代への支援を強化するとともに、女性活躍、孤独・孤立対策など、包摂社会の実現に取り組みます。

昨年の福岡に続き、静岡で、幼いお子さんが送迎バスの中に置き去りにされ、お亡くなりになるという痛ましい事故が再び起こってしまいました。二度とこうした悲劇を繰り返すことがないよう、送迎バスの安全装置の義務化と支援措置を含む、緊急対応策を講じてまいります。

■経済対策

以上、申し上げてきた、日本経済再生、新型コロナをはじめとした山積する課題に対応するため、先日、新たな総合経済対策の策定を指示しました。今月中に取りまとめを行い、その内容を踏まえて、今国会に補正予算を提出いたします。

全力で、国民の暮らしを守り、この国の未来を切り拓いていこうではありませんか。

■外交・安全保障

ロシアによるウクライナ侵略が始まり、半年以上が経ちました。

いわゆる「編入」の動きや、部分的動員令の発動により、新局面に入ることが懸念される事態となっています。

ロシアの暴挙は、国際秩序の根幹を揺るがすものです。対露制裁、対ウクライナ支援を、引き続き強力に 推し進めます。また、アジア唯一のG7メンバーとして、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化を、インドや東南アジア、アフリカ、中南米などの国々と共有する努力を重ねていきます。

私は、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」との強い危機感から、力による一方的な現状変更の試みは、世界のいずれの地域でも許されないと、繰り返し訴えてきました。

東シナ海、南シナ海を含め、我が国周辺でも安全保障環境が急速に厳しさを増す中、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、抑止力と対処力を強化することは、最優先の使命です。

その観点から、我が国防衛力の五年以内の抜本的強化に必要となる防衛力の内容の検討、そのための予算規模の把握及び財源の確保を、一体的かつ強力に進め、予算編成過程で結論を出します。

これまで議論を進めてきている、新たな国家安全保障戦略等を年末までに策定します。いわゆる「反撃 能力」を含め、国民を守るために何が必要か、あらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速します。あわせて、海上保安能力の強化にも取り組みます。

経済安全保障も重要な課題です。経済安全保障推進法の円滑な施行とともに、宇宙、海洋、サイバーなどの重要技術の育成に取り組みます。

我が国の安全と繁栄にとって、日米同盟の強化がますます重要です。抑止力と対処力を一層強化し、地域の平和と安定及び国際社会の繁栄に貢献していきます。

同時に、基地負担軽減にも引き続き取り組みます。普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古への移設工事を進めます。あわせて、強い沖縄経済を作るための取組を進めます。

「自由で開かれたインド太平洋」を推進するため、日米豪印等も活用しつつ、実質的な協力を一層進め、ASEANや欧州、大洋州などのパートナーとの連携を強化します。そのための新たなプランを策定します。経済面でも、IPEF等の取組において具体的な成果を目指します。

先月、日中国交正常化五十周年を迎えました。両国間には現在でも様々な懸案がありますが、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含め、対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力する、「建設的かつ安定的な関係」を日中双方の努力で構築していきます。

ウクライナ情勢によって日露関係は厳しい状況ではありますが、我が国として、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持致します。

韓国は、国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき要な隣国です。国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させていく必要があり、韓国政府と緊密に意思疎通していきます。

最重要課題である拉致問題について、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組みます。私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します。

先般のNPT運用検討会議において、ロシアの反対により、成果文書が採択されなかったことは極めて遺憾です。年内に広島で開催予定の「賢人会議」も活用し、「ヒロシマ・アクション・プラン」に沿って取組を進め、NPT体制を維持・強化することで、「核兵器のない世界」に向けた現実的な歩みを進めていきます。

加えて、先日示した国連の理念実現に向けた日本の決意の下、安保理改革を含む国連の機能強化に取り組みます。

来年、我が国は、安保理非常任理事国となり、五月には、G7議長国として広島でサミットを主催します。私自身が先頭に立ち、普遍的価値に立脚した国際的な規範や原則の維持・強化、地球規模課題への取組、そして、国民の命と暮らしを断固として守りぬく、新時代リアリズム外交を、引き続き、着実に推進していきます。

■選挙制度・憲法

最後に、この国の根幹に関わる重要な課題として、選挙制度と憲法について申し上げます。

衆議院議員の選挙区について、本年六月の衆議院議員選挙区画定審議会の勧告に基づいた改定を行うため、公職選挙法の改正案を、今国会に速やかに提出いたします。

先の第二百八回国会においては、衆議院・参議院合わせて二十回を超える憲法審査会が開催され、近年になく活発に御議論いただきました。このことを歓迎いたします。憲法改正は、最終的には、国民の皆様による御判断が必要です。そのための発議に向け、国会の場において、これまで以上に積極的な議論が行われることを期待します。

■結語

私は、この一年、多くの現場を訪問し、多くの皆様と、直接、対話を重ねてきました。

確かに、我が国は多くの困難に直面していますが、他方で、変化の芽、未来に向けた希望もまた、多く生まれ始めているとも感じています。

冒頭触れた、福島の復興もそうです。

全国のスタートアップの皆さんの活躍もそうです。

デジタルの力を活用した地域活性化もそうです。

若者、お年寄り、男性も女性も多くの皆さんの力を結集し、胎動し始めた新しい動きを、大きな流れにして、この国の未来を切り拓いていきたいと思います。

「信頼と共感」。この姿勢を大切にしながら、正道を、一歩一歩、前に向かって歩んでいく。

この国の未来のために、これからも全身全霊で取り組んでまいります。

御清聴ありがとうございました。