甘利経済再生相、なぜ辞任表明?
甘利経済再生相は28日、金銭の授受をめぐる疑惑について説明する会見を開き、詳細な調査内容を公表したあと、経済再生相を辞任すると表明した。なぜ、甘利氏は辞任することになったのか。
安倍首相は当初、甘利氏について安倍政権の大黒柱だとして続投させたい考えを強く持っていた。しかし、首相周辺も「秘書は完全にやられている」などとして、秘書に対する監督責任は免れないという見方も示していた。そして、政府・与党内に辞任はやむを得ないという声が根強くあった。
非常に窮屈な通常国会の審議日程にも、すでに影響が出ていた。また、来月4日に予定されている、ニュージーランドで行われるTPP(=環太平洋経済連携協定)の署名式にも野党の反対で出席できない可能性が出ていた。こうした中で、甘利氏は辞任という決断を選ばざるを得なかった形。
安倍首相は今後、早急に後任人事に着手することになる。TPPの署名式への参加、また、今後はTPP関連法案の審議も控える中で、TPPへの知識や答弁力を考えながら誰を後任にするのかは、通常国会を展望する上で重要なポイントになる。
ただ、盟友として安倍首相を支えてきた甘利氏の代役は見当たらないのが実情で、安倍首相は今後、苦しい政権運営を迫られることになりそうだ。