甘利氏辞任表明 政府・与党内に衝撃広がる
甘利経済再生相は28日、金銭の授受をめぐる疑惑について説明する会見を開き、詳細な調査内容を公表した後、経済再生相を辞任すると表明した。
会見後、甘利氏は首相官邸に入り、安倍首相と会談した。10分ほどで官邸を後にしたが、緊張が解けたのか穏やかな表情を浮かべていた。安倍首相に辞意を正式に伝えたものとみられる。
今回の甘利氏の辞任に、政府・与党内には衝撃が広がっている。公明党幹部は「びっくりした」と驚きを隠しきれない様子だった。自民党の元閣僚の一人は「総理は守りたかっただろうが、本人が決断したのではないか」と話している。二階総務会長は「政権運営に影響はない」と強調している。
一方、野党側は厳しい反応を示している。民主党などは甘利氏の国会への参考人招致も視野にさらに説明責任を果たすよう求めるとともに、国会審議の場で安倍首相の任命責任を追及する方針。民主党の枝野幹事長は、今後の説明が不十分な場合は議員辞職も求めていく可能性を示唆した。
共産党の山下書記局長は「大臣の辞任で疑惑に幕引きすることは許されない」「安倍首相自身が真相解明する必要がある」としている。