建設会社からの金銭の授受を巡る甘利前経済再生担当相の辞任。政権運営にどんな影響が出るか。政治部・青山和弘解説委員に聞いた。

　まずは国会審議への影響だ。閣僚を辞任しても野党側は疑惑を追及する姿勢を崩していない。

　というのも、甘利氏の会見では、秘書がＵＲ（都市再生機構）側とどのようなやり取りをしたのか、口利きがあったのかなどいくつもの点が明らかになっていない。アベノミクスの司令塔を務める重要閣僚の在任中の出来事であり、野党側は徹底追及する構え。

　対する政府・与党は、野党側の要求にどこまで配慮していくのか、審議の日程や世論の動向を見ながら判断するとみられる。

　そして、もう一つ影響が懸念されるのが、政権の生命線・経済政策だ。与党内には石原新経済再生相の下でアベノミクスの先行きを不安視する声も出ている。というのは、石原氏が経済政策では財政再建重視で、安倍首相と開きがあるとみられているからだ。

　今後、どれだけ短期間で安倍首相と経済政策で歩調を合わせられるのか、国会審議も控える中、石原氏の力量、安倍首相の指導力も試されている。