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甘利氏辞任の舞台裏 安倍政権への打撃は?

2016年1月29日 1:08
甘利氏辞任の舞台裏 安倍政権への打撃は?

 甘利経済再生相は28日、金銭の授受をめぐる疑惑について説明する会見を開き、詳細な調査内容を公表した後、経済再生相を辞任すると表明した。安倍首相は27日も国会で甘利氏を続投させたい考えを示していたが、なぜ急に辞任となったのか。青山和弘解説委員が解説する。

 表向きは急な辞任に見えると思うが、疑惑が指摘されてから甘利氏の辞意は徐々に強くなり、今週に入ってから辞任に向けた調整は始まっていた。それは、いくら甘利氏本人に法的な問題はなく、秘書の問題だと強調しても、監督責任は免れず、国会審議への影響は避けられなかったからだ。

 安倍首相はそれでも「とにかく守るから」などと慰留したようだが、結局、28日の辞任になった。甘利氏は自ら疑惑について説明した上で辞意を公にしたいという意向で、周囲も黙っていたという。

 政権への打撃は大きい。アベノミクス、TPP(=環太平洋経済連携協定)というのはまさに、安倍政権の柱の政策。それを盟友の甘利氏に背負ってもらい、絶大な信頼を置いていた。その意味では、今の自民党内に甘利氏の代わりは見当たらない。

 安倍首相は28日夜、周辺に「無念だが仕方がない。石原大臣にはアベノミクスをきちんと進めてもらう」と話している。しかし、今回の辞任劇の打撃の大きさは、現時点では計り知れない。