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首相が改めてけん制 中国は強硬姿勢崩さず

2016年7月16日 12:00
首相が改めてけん制 中国は強硬姿勢崩さず

 安倍首相が出席しているASEM(=アジア・ヨーロッパ首脳会議)は16日が最終日。安倍首相は南シナ海の問題をめぐり、海洋進出を続ける中国を改めてけん制した。

 安倍首相は今回、南シナ海の問題で中国をけん制し続けたが、中国は強硬姿勢を崩さなかった。最終日の会合でも安倍首相は、率先して2番目に発言し、南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶという中国の主張を否定した仲裁裁判所の判決について触れた。

 「南シナ海問題は国際社会共通の懸念事項だ」とした上で、「仲裁裁判所の判断は最終的なものであり、紛争当事国を法的に拘束する」と述べ、判決に従わない姿勢を貫く中国をけん制した。しかし中国の李克強首相は、判決を受け入れない姿勢を崩しておらず、日本は介入すべきでないと反発している。

 安倍首相はASEMの議長声明に南シナ海問題が反映されるよう働きかけてきたが、中国が反対していて、ある参加国の関係者は「議長声明に直接的な表現で南シナ海問題に触れるのは難しい」と話している。また、安倍首相は16日の会合で北朝鮮情勢への懸念を示し、拉致問題解決に向けた各国の理解と協力を求めた。