“生前退位”など議論「有識者会議」初会合
天皇陛下の「生前退位」について話し合う「有識者会議」の初会合が開かれ、来月に十数人の専門家からヒアリングを行った上で、提言をまとめていくことが確認された。
17日の初会合は、経団連の今井敬名誉会長や東京大学の御厨貴名誉教授ら6人の有識者のほか、安倍首相や菅官房長官も出席して行われた。
「国家の基本に関わる極めて重要な事柄であり、予断を持つことなく、十分にご審議をいただき、国民のみなさまの様々なご意見を踏まえて、提言を取りまとめていただけるよう、よろしくお願いを申し上げます」-安倍首相は会議の冒頭このように述べ、生前退位のみならず、摂政や臨時代行を置く方法など幅広い議論を求めた。
この日の会議では、有識者メンバーから「陛下のご高齢を鑑みるときに、スピード感を持って検討を進めることが重要」という意見や、「国民の意思に沿った解決策を模索していきたい」という意見が出たという。
座長に選任された今井氏は会議後の記者会見で、来月中に3回に分けて、憲法や皇室制度などの専門家十数人からヒアリングを行う考えを示した。
会議では年内にも論点を整理し、その後、提言を取りまとめる方針。ただ、意見が大きく分かれる専門家の議論を集約することは難航が予想され、副座長の御厨氏は会見で「我々にとっても試行錯誤で、やってみないと分からない」と述べている。