陛下の「退位」 専門家から意見聴取
天皇陛下の「退位」について話し合う有識者会議は、3回目の7日の会合から、専門家へのヒアリングを始めた。
ヒアリングでは、天皇陛下の公務の負担を軽減するために、退位の是非に限定せず、摂政を置くことや国事行為を委任することなどについて、幅広く意見を聞いた。
ノンフィクション作家・保阪正康氏「(皇室典範の)改定を前提とした特例法であるべきだというふうな意見を言いました」
保阪氏のほか、京都産業大学・所功名誉教授も「ステップをいくつか踏んでいく第一段階が特別法というやり方でよいのでは」と述べ、退位に肯定的な考えを示した。
一方、退位に否定的な意見も聞かれた。
東京大学・平川祐弘名誉教授「非常にありがたいんですけれども(陛下が)ご自分で定義された、拡大された役割を果たせないから退位したいというのは、そのお考えはちょっとおかしいんじゃないかなと私は感じました」
平川氏のほか、国学院大学・大原康男名誉教授も摂政や国事行為の臨時代行で対応すべき、として退位に否定的な考えを示した。
また、日本大学・古川隆久教授は、「皇位継承の安定性確保のために退位は避けるべきだが、国民の意思として認めるのであれば、否定する理由はない」と述べ、退位を認める場合は、皇室典範を改正して恒久制度化すべき、との考えを示した。
有識者会議は7日から3回にわたって専門家からヒアリングを行った上で、来月にも論点を整理することにしている。