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“TPP”巡り「安倍・トランプ会談」追及

2016年11月24日 18:17
“TPP”巡り「安倍・トランプ会談」追及

 TPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案を審議する参議院特別委員会で24日、民進党の蓮舫代表が質問に立った。17日に行われた安倍首相とアメリカのトランプ次期大統領との会談の内容を追及した。青山和弘記者が伝える。

 蓮舫代表はまず、安倍首相がトランプ氏について「信頼関係を築けると確信が持てる」と評価した理由をただした。これに対して安倍首相が示したのは、会談をあくまでプライベートなものにするなど、トランプ氏が見せた“オバマ大統領への配慮”だった。

 民進党・蓮舫代表「(安倍首相の説明は)全くわかりませんでした。なぜ信頼できたんですか。つまり、トランプさんのこの長い間の選挙戦の暴言は演出であって、あれは僕の本意ではないんだ、僕はそう思っていないんだという説明があったのですか」

 安倍首相「選挙戦と同じように、オバマ大統領に対するただ批判に明け暮れる、あるいはその際に前任者を辱めるような行動は取らないということをするという、その点について私は信頼に足ると申し上げたところでございます」

 ただ、トランプ氏は安倍首相との会談後にTPPからの脱退を改めて表明した。これは、安倍首相が訪問先のアルゼンチンで「TPPはアメリカ抜きでは意味がない」と発言した直後だっただけに、メンツがつぶれた格好となった。

 蓮舫代表はさらに、安倍首相にトランプ氏が姿勢を変える確信があるのかとただした。

 蓮舫代表「日本が国内の批准手続きを終えたらトランプさんが翻意をする、やっぱりTPPには参加をすると、そういう確信を総理はお持ちなのか」

 安倍首相「そういう確信はございません。日本が一抜けたでいいのかどうか、ということを申し上げているわけです」

 また蓮舫代表は、トランプ氏へのお土産ゴルフクラブについても批判した。

 蓮舫代表「今、トランプさんと安倍さんが議論をしなければいけなかったのは、私はゴルフ談議ではなかったと思っています」

 安倍首相「今、私は議論をしたことは申し上げられないと言ってるじゃないですか」

 トランプ氏との会談で安倍首相がどこまで自由貿易の重要性について認識を共有できたのか、できなかったのか。政府・与党がTPP承認案の成立を急ぐ中で、今後も野党側の追及は収まりそうにない。