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【内閣改造】ポイントは…経験と安定感重視

2017年8月3日 14:34
【内閣改造】ポイントは…経験と安定感重視

 安倍首相は内閣改造に踏みきり、第3次安倍再々改造内閣が3日夕方発足する。菅官房長官が新たな閣僚名簿を読み上げ、閣僚たちが首相官邸に呼び込まれた。今回の改造のポイントについて、政治部・青山和弘記者に聞く。

 最大のポイントは小野寺防衛相や上川法相のように閣僚経験者を再び同じポストに起用するなど、経験と安定感を重視した点。

 今回の改造でポストが注目された野田聖子議員でさえ省庁再編前の郵政相の経験がいきる総務相に充てた。初入閣でも斎藤農水相は副大臣からの昇格、中川環境相は環境事務次官経験者。

 また菅官房長官など政権の骨格は、自民党内から「変えるべきだ」との声が出ても安倍首相はかたくなに変えなかった。そのため、堅実な一方で新味がなく、自民党内からも「人心一新にはほど遠く支持率回復は見込めない」との声が聞かれる。ただ政権幹部は「支持率を上げるというより、まずは落ち着かせることだ」と話している。

 それは今、大切なことは自衛隊の日報問題や加計学園の問題で批判を浴びた政権の態勢を立て直すことで問題を早く幕引きすることだとの考えにほかならない。

 加計学園の問題を抱える文科相に安倍首相と一定の距離がある上で、答弁が安定している政策通の林芳正氏を起用したところに如実に表れている。

 これに対して野党側は批判を強めている。

 民進党・蓮舫代表「人をかえても疑惑は終わらせることができません。人が変わったからこそ、しっかりと疑惑を解明するべきだと思っています」

 野党側は新閣僚の下でも安倍政権を厳しく追及していく方針。この守りの布陣で国民への説明責任を果たし、今後着実に実績を積み上げることができるかが窮地に立つ安倍政権の帰すうを左右する。