フィリピンを訪問している安倍首相は、ＡＳＥＡＮ（＝東南アジア諸国連合）各国に加え、中国と韓国の首脳が参加する会議に出席した。外交筋は、この会談について「できるだけ日中韓の友好ムードを醸し出すことに全力を挙げる」と話している。

　会議の主なテーマは地域の経済協力だが、北朝鮮問題も引き続き焦点となる。

　政府関係者によると、安倍首相は会議に出席している中国の李克強首相に対して「制裁の履行など前向きな動きを歓迎する」と伝える考え。このようにして北朝鮮との対話にも重きをおく中国をうまく巻き込みながら、朝鮮半島の非核化や核実験への非難などでＡＳＥＡＮ各国と日中韓３か国の結束をアピールしたい考え。

　その一方で中国が強引な海洋進出を続ける南シナ海問題で、安倍首相がしっかりと法の支配の重要性についてもクギをさせるかも焦点となる。