“森友文書”昭恵夫人や政治家名も複数削除
森友学園への国有地売却問題で、政府は12日、14の決裁文書が書き換えられていたことを国会に報告した。安倍首相の昭恵夫人や複数の政治家の名前も削除されていた。
財務省の説明によると、問題発覚後の去年2月下旬から4月にかけて、森友学園への国有地売却などに関する14の決裁文書で、書き換えが行われた。元の文書には「価格等について協議した結果、学園が買い受けることで合意した」との記述があったが、佐川前理財局長による「事前の価格交渉はしていない」との国会答弁に合わせる形で削除されている。
また、昭恵夫人や鴻池元防災担当相などの名前も削除されている。昭恵夫人については森友学園側の発言として「昭恵夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と記載されていた部分がなくなっている。
これについて自民党幹部が「文脈から重要な意味はないということがわかる」としている他、官邸関係者は「本筋の契約の部分には全く関わらない所だ」と強調しているが、与野党からは批判も出ている。
自民党・岸田政調会長「財務省も含めて政府全体で信頼回復に努めてもらいたい」
立憲民主党・蓮舫参院国対委員長「安倍内閣のウソがはっきりしました。政治家の名前安倍昭恵夫人の名前それを削除したものを国会の要請に応じて国会に提出していた。民主主義を冒涜(ぼうとく)したということが今日明らかになりました」
自民党内にも「決裁文書の大幅な書き換えだ。麻生財務相はとてももたないだろう」との声がある他、野党側は「書き換えの動機は安倍政権への忖度(そんたく)によるものだ」と批判していて、麻生財務相や安倍首相の責任を厳しく追及する方針。