【総裁選・討論2】収入ギャップどう解消?
自民党総裁選に立候補している石破元幹事長・菅官房長官・岸田政調会長の3人の候補が9月9日、日本テレビの「news zero」に出演。「収入」「子育て」「デジタル」の“3つのギャップ”など、さまざまなテーマについて議論しました。
(聞き手:有働由美子キャスター、小栗泉・日本テレビ解説委員)
有働:まずは「収入のギャップ」です。悩んでいるのは20代男性、美容師の方。「コロナの影響で出勤日数が激減、給料も激減。会社も国も補償なく厳しい」という声があがっています。石破さん、こういう方々にどんな支援を考えていますか。
石破:それは経済的支援を増やすことと、いろんな方々に働く場所、そして所得を与えていくことです。日本は男女間の収入差、先進国1位。正社員と非正規、ものすごく差がある。そういうところ埋めていく。そういう方々の生産性、能力を最大限引き出すことと、経済的支援を行うこと、その組み合わせですよね。
有働:経済的支援というと具体的には?
石破:いろんな人がいろんな理由で収入が減っているんですよ。どういう理由で減っているのか、例えばエンターテインメイント関係、大道具さん、小道具さん、照明さん。自分の努力じゃどうしようないっていう方には(支援を)厚くしていかなければいかんのじゃないですか。
有働:金額的にも?
石破:そうそう。厚くしていく。みんな同じにやるってのはいかんですよ。本当に困っている人に厚くする。そういうことです。
有働:36歳主婦の方からです。「アベノミクスで収入格差が増えたのにまだ継承していかなきゃいけないの?」ということで、アベノミクスうまくいったという菅さんは、この質問にはどう答えますか?
菅:アベノミクスというのは、政権交代してから雇用を過去最大ぐらいに増やすことができたんです。その中で働く人も増えたんです。雇用が400万人増えていますから。そういう中で雇用全体を増やして、最初はどうしてもパートが入りますが、家庭に例えれば、総収入は増えていると思ってます。
有働:なるほど、ただ収入のギャップを数字でみると顕著に表れています。
小栗:厚生労働省によりますと、一世帯あたりの平均所得はおよそ552万円です。ただ、割合で多いのは500万円未満の人たちで、全体のおよそ56%を占めています。「生活が苦しい」と答えた世帯も、半数以上に上っています。
有働:つまり稼げている方とそうでない方が二極化している。お三方が収入のギャップをどう解消していくのか。その考え方がこちらです。
石破「ポストアベノミクスへの展開」
菅「アベノミクス継承」
岸田「中間層の復活」
有働:岸田さんは「収入格差の解消」を重視していますが、アベノミクスを引き継ぐ菅さんのやり方では格差が解消しないということでしょうか?
岸田:アベノミクスはぜひ発展・充実させなければいけないと申しています。配分のあり方について見直していかなければいけない。また、中間層でご苦労されている方は、教育とか住宅の部分での苦労が多い。そういった支援もしなければならない。そして最低賃金もより上げていかなければいけない。そういった形で、今の成長の果実の分配の有り様をより国民に納得してもらう形にしていく。こういった発展・充実を目指さなければならないと申し上げています。
有働:石破さんはこの収入のギャップ、格差はどう解消していく?
石破:これはいかにして生産性を上げていくかということなんですね。つまり、このお金を出してでもこのサービス受けたいよ。これを生産性という。直接的な支援も必要でしょう。けれど、女性であり、非正規の人であり、そういう人たちの稼ぐ力を上げていくために国があらゆる支援をするということですね。そうしないといけません。
有働:菅さん、2人の意見で取り入れるべきものは?
菅:まずやはり、雇用を増やすことじゃないでしょうか。雇用を増やすことで総雇用者所得は増えるわけですから。一人ひとりで見ると、雇用が増えた分、最初はパートですから(収入が)少なくなりますけど、雇用を増やして経済を成長させる。このこと(が大事)だと思います。
(以上、敬称略)