自民党総裁選“動き”石破氏「白紙」思惑は
自民党総裁選にむけ、岸田前政調会長が動きを活発化させる一方、意欲を示していた下村政調会長は30日、立候補を断念しました。こうした中、立候補について「白紙」と語った石破元幹事長。その思惑が注目されています。
30日も慌ただしく動いた岸田氏。さっそく、他派閥の議員にも支持を呼びかけました。
自民党・岸田前政調会長「ぜひ自民党の活力・存在感を示せる総裁選にしたいと」
麻生派・猪口邦子議員「やっぱり勇気、先生はおありです。それから情熱。やっぱり情熱がないといろいろなことを成し遂げられない。先生はおありです。それから前向きな明るさですよ。勇気・情熱・明るさ」
自民党・岸田前政調会長「はい勇気・情熱・明るさ、ありがとうございました」
岸田氏はその後、最大派閥・細田派に影響力をもつ安倍前首相と会談。さらに、党内第2の派閥を率いる麻生副総理とも会談を予定。週末には広島入りし地元の足場固めにも余念がない岸田氏。そこでも、訴えたのが――「自民党が若返ることができる政党であることを示す」
権力の集中や惰性を防ぐとして、党役員の任期を1期1年、連続3期までとすることを選挙公約に掲げた岸田氏。これは党内で絶大な権限をもつ二階幹事長への批判と受け止められていて、党幹部も不快感をあらわにしています。
党幹部からの批判に岸田氏は――「権力のチェック&バランス、そういったことを考えたならば、任期これ一つ制限をつけるということ、これはあってもいいのではないか。それに疑問をするというのは私は理解ができない」
二階幹事長との対決姿勢を鮮明にした岸田氏。党内若手を中心に評価する声があがっています。
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こうした中、再び動向が注目されているのが石破元幹事長。コロナ禍の中、総裁選を行うこと自体に反対の姿勢を示していた石破氏は30日――「白紙です。まったくの白紙です」「(Q不出馬を示唆したと報じられているが、これまでの姿勢に変化はあったのか)私は(不出馬を)示唆した覚えはございません」
立候補の余地を残すために「白紙」という言い方をしたのではとの臆測がひろがっているのです。その石破氏、岸田氏が掲げる党役員の若返りには異議を唱えています。
自民党・石破元幹事長「長いからすなわちダメということではないと私は思います。その方がその任にふさわしくないなら、1期でかわるべきでしょうし、ふさわしい方であれば3期ということに拘泥する必要もないだろうというふうに思っています」
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一方、立候補に意欲を示し30日朝も街頭に立った下村政調会長。
下村政調会長「政治は何のためにあるのか、菅総理も一生懸命やっておられますが、国民の皆さんに十分に届いていないのではないか」
国民のための政治を行うと意気込みを語っていた下村氏は、その後、菅首相に官邸に呼ばれ立候補するのか、するのであれば政調会長を辞めるのか決断を迫られたのです。
結局、下村氏は立候補を断念。その理由について新たな経済対策を優先するためと語りました。
下村政調会長「(経済対策の)指示が今日出るということであれば、政調会長をしながら総裁選の準備をするということは人としてできないと判断した」
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また、立候補に意欲を示している高市前総務相。先週、安倍前首相とのやりとりを明らかにしました。
高市前総務相「(安倍前首相から)『もう絶対出ないから』って言われて『それやったらこれまで積み上げていた政策をどないするんですか』って、(安倍氏が)『高市さん発表すれば良いじゃん』そういう突き放され方をしたのでそこで思わず、『ほんなんやったら私出たるわ』でたんかを切ってしまったのが最後でした」
こう話した高市氏ですが、必要な推薦人20人を確保できるか依然不透明な情勢です。