石破氏 総裁選出馬「まったくの白紙」
自民党の石破元幹事長は30日午後、自民党総裁選挙をめぐり記者団の取材に応じ、立候補については「まったくの白紙」とした上で、総裁選よりも臨時国会を開いて、新型コロナウイルス対策に注力すべきと主張した。
また、立候補を表明した岸田前政調会長が掲げる党役員任期の改革案については「基準がよくわからない」などと述べた。以下は記者とのやりとりの抜粋。
――あらためて総裁選についてどう考えるか?
白紙です。まったくの白紙です。いま我々が国会議員としてしなければいけないことは何か。この国で法律を作ることができ、予算を作ることができる権能を持っているのは国会だけです。
そして、それができるのは国会議員だけなんです。国民が待ち望んでいるものは何か。コロナになったらば重症にならないために、そして重症になったらば、きちんと治療が受けられて死に至らないために、そういうような医療の体制をきちんと作ってくれということであります。
いま総裁選で誰を総裁にしたら、総理にしたら、選挙がどうなるのかという議論が多いようですけども、国会の本来の役割を忘れてはいないかということです。我々が国民に対して果たすべき責任は何なのかということです。それをやった上で、国民の審判を受けるということが憲政の常道であるということに尽きます。
――不出馬を示唆とも報じられているが、これまでの姿勢に変化?
私は示唆した覚えはございません。
――下村政調会長が立候補断念。
人のことを論評する立場にいません。それぞれがよく考えられて行動しておられることだと思います。ただ私は、党三役や閣僚でいるときは総裁選には出ない、それが私の考えです。なぜならば、それは共に政権を支えているから。共同責任・連帯責任を負っているんです。政策がおかしいとか党の運営がおかしいとかいうことであるならば、役職を辞してから言うのが政党人として当たり前の姿だと、私は思っています。
――岸田氏による党役員任期の改革案について、どう考えるか
任期が1年で3期までという基準がよくわからないですね。例えば知事や市長や町村長の任期は4年。我が党としては、4期以上は推薦しないということにしているけれど、我が党の態度にかかわらず何期もやる方がいるわけです。だから、長いからすなわちダメということではないと私は思います。その方がその任にふさわしくないなら1期で変わるべきでしょうし、ふさわしい方であれば3期ということに拘泥する必要もないでしょうというふうに思っています。
何が国家のためであり、党のためであるかという判断であって、私は権力の集中が長くなると弊害が起きるということは、そうだと思っています。それについて期数を区切るのがいいのか、任命権者がきちんとした見識を持って判断するか、それはどちらがいいかはそれはいま私はお答えがしにくい。ただ、権力が集中する期間が長く続くことは好ましくないというのは、一般論としてはそうだと思っております。
――菅政権の評価できるところ、足らざるところについて?
誰がやっても極めて難しい時期だと思っております。全身全霊でやってこられたということは、私はそれは立派なことだったと思っております。
一方、オリンピック開催について、57%の国民がやってよかったと言っておられるわけです。担当は、田村さんであり、河野さんであり、西村さんであり。みんなが不眠不休で、一生懸命対応してきたと思っています。国民の皆さまがどうしてこれができないんだろう、なんで世界一の人口あたりの病床数を誇りながら医療逼迫(ひっぱく)というようなことが起こるんだろうということに対して、もちろんいろんな理由があることは承知していますし、推測もしますが、もう一歩心に響くようなものが求められていると思っています。
いままでの1年間の大変な努力を、評価しながらという上からの言い方はあんまり好きじゃないですが、より国民に「そうだね」と言ってもらえることができればいいなと思っていますし、それは与党である我々の責任だと思っています。