×

首相、ロンドンで講演「岸田に投資を」経済政策の具体像を示す

2022年5月5日 18:01
首相、ロンドンで講演「岸田に投資を」経済政策の具体像を示す

イギリスを訪問中の岸田首相がロンドンの金融街・シティで講演し、自らの経済政策「新しい資本主義」の具体像を初めて示した上で、海外の投資家に対し、「岸田に投資を」と強く呼びかけました。

岸田首相は講演で、「日本経済は、これからも力強く成長を続ける。安心して日本に投資をしてほしい。Invest in Kishida(岸田に投資を)」と呼びかけました。

また、自らが提唱する経済政策「新しい資本主義」について、「一言でいえば、資本主義のバージョンアップだ。より強く持続的な資本主義です」と説明しました。

資本主義のバージョンアップが必要な理由について、グローバル資本主義の負の側面である格差の拡大や地球温暖化など「外部不経済」の問題を解決するためだと述べました。

また、中国を念頭に「ルールを無視し、不公正な経済活動で急激な経済成長を成し遂げた権威主義的国家から、自由主義と民主主義が挑戦にさらされている。自らの経済を持続可能で包摂的なものとすることで自由と民主主義を守らなければならない」と説明しました。

ある官邸幹部は「資本主義をバージョンアップしないと中国に負けてしまう。民主主義を守るために『新しい資本主義』が必要だという文脈だ」と指摘しています。

さらに、岸田首相は、二者択一ではなく「市場と国家」、「官と民」が連携して新しい資本主義をつくっていくと強調しました。そして、具体的な取り組みとして「人への投資」「科学技術・イノベーションへの投資」「スタートアップ投資」「グリーン、デジタルへの投資」を4本柱としてあげました。

その上で、「貯蓄から投資」へのシフトを大胆・抜本的に進め、投資による「資産所得倍増プラン」を進めることを打ち出し、「眠り続けてきた1000兆円単位の預貯金をたたき起こし、市場を活性化するための仕事をしてもらう」と強調しました。

また、「戦後に次ぐ第二の創業ブームを日本で起こしたい」として、全体像を5か年計画としてまとめると表明しました。

さらに、日本の水際対策について、来月には他のG7諸国並みに円滑な入国が可能となるよう緩和する考えも明らかにしました。