“安定的皇位継承”憲法学者ら4人から意見
安定的な皇位継承について議論する政府の有識者会議は10日、3回目のヒアリングを行い、憲法学者ら4人から意見を聞きました。
ヒアリングでは、女性天皇や母方が天皇の血筋を引く「女系天皇」、また女性宮家の創設の是非などについて意見を聞いています。
国士舘大学特任教授の百地章氏は、女系天皇について「皇室の伝統を破壊するだけでなく、憲法違反の疑いがある」と指摘しました。女性天皇についても「現に男系男子に皇位継承資格者がいる中で疑問だ」としていて、男系男子以外への皇位継承について否定的な考えを示しました。
一方、元最高裁判所判事の岡部喜代子氏は、女性天皇について「男系女子の皇族に皇位継承資格を認めることは望ましい」としています。ただ、皇位継承資格を女系に拡大することについては「憲法違反であるとの説を採ることはできない」としながらも、「女系に拡大すべきかについては別の検討が必要」との認識を示しました。
また、京都大学名誉教授の大石眞氏と東京大学教授の宍戸常寿氏は女性天皇・女系天皇への拡大を容認する考えを示しています。ただ、大石氏は「男系による継承可能性が十分にある時点で一挙に女性・女系に拡大するのは最善とは思えない」と指摘しています。
関係者によりますと、有識者会議は今後2回のヒアリングを予定しています。次回は、今月31日に歴史の専門家など4人からヒアリングを行う予定です。