“年内解散”カード手放した「3つの理由」 “解散やるやる詐欺”に不信感も 求心力は低下か…周辺「このままだらだら行くのでは」
岸田首相が、年内の衆議院解散を見送る方針を固めました。背景には予算成立に向けた国会の日程、評判の悪い所得減税、政権発足以来最低となっている支持率があるとみられます。解散見送りを受け、岸田首相の求心力が低下する可能性があります。
小栗委員長
「まずは国会の日程です。私たちの取材によると、首相は『解散しない』という言い方はしていません」
「首相周辺によると、補正予算案の審議の日程を組む際、解散があれば審議ができなくなってスケジュールが大幅に変わってしまいます。解散があるのかないのかなどと議論が出ていたので、『日程は気にせずに大事な予算を成立させて』という方針でした」
「つまり、予算成立に向けてスケジュールを組む上で『解散はない』とはっきり伝える必要があったということです」
「もう1つは、10月に打ち出した所得減税について、首相が解散総選挙で勝つために打ち出したと見られて評判が悪かったことです。ある自民党幹部は『解散がないことを明確にして落ち着かせるために、今方針を示したのか』と話していました」
「そして報道各社の世論調査で、内閣支持率が政権発足以来最低となる結果が相次いでいること。10月のNNN・読売新聞世論調査でも最低の34%でした。政治の世界では3割を切ると政権存続の危険水域で、選挙どころではないというのがいわば常識になっています」
「とにもかくにも解散は見送る方針を固めたことで、ある自民党議員は『岸田さんの“解散やるやる詐欺”みたいなスタイルには、みんな不信感を持っている。これでようやく、落ち着いて仕事ができる』と言っていました」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「僕がもしリーダーだったら、ここから挽回したいので、いろいろうまくいっていない段階での解散は見送らざるを得ないかなと思いました」
「これから解散するタイミングが出てくると思いますが、その時までの岸田首相の言動が本当に本質を突いているかどうか、一国民としてもしっかり見極めていきたいなと思いました」
有働キャスター
「『解散するかもしれない』と周りに思わせて岸田首相は持っていた部分もあると思いますが、政権は大丈夫なのでしょうか?」
小栗委員長
「求心力は落ちるでしょうね。ただ、ある岸田首相をよく知る周辺は『今の状況では、解散しない限り政権は続くので、このままだらだら行くのでは』と見通していました」
有働キャスター
「岸田首相は『来年春にさらなる賃上げを実現する』と言っていますが、そのプレッシャーはさらに高まったと思います」
(11月9日『news zero』より)