×

LGBT法案、自民「条件付き」で…世界は

2021年5月25日 8:34
LGBT法案、自民「条件付き」で…世界は

LGBT(性的マイノリティー)の人への理解を促す法案をめぐり、慎重論が根強く了承を見送っていた自民党は、24日に再び審査し、「条件付き」で了解しました。後れを取る日本。世界では、すでに50か国以上が「差別禁止」を法律でうたっています。

■「種の保存」発言も…審査再開

自民党は24日、LGBTなど性的マイノリティーの人たちへの理解を促進するための法案に関する審査を、20日に続けて行いました。

稲田朋美・特命委員長
「今、すごく傷ついている人たちが希望を見出すことができる、それ(法案)を決断できるのは、今日、ここに座っておられる先生方しかいらっしゃらない」

20日の会議では、立憲民主党などとの修正協議で、法案に盛り込まれた「差別は許されない」との文言に慎重な意見が相次ぎ、了承が見送られていました。

出席した自民党議員の中には、「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」という発言もありました。

■議論3時間超「条件付き了解」

24日の議論では、出席者から「この法案を了承しなければ、自民党は人権軽視との批判を浴びる」「今、ここで『差別は許されない』ということに反対したら、どう社会に受け止められるか」という声が上がりました。

一方で、「同性による結婚式を断ったら訴訟を起こされるようになるのではないか」という慎重な意見も寄せられました。

会議は3時間以上に及びました。山谷えり子議員は「自由で活発な議論ができました」と報道陣に話しました。

慎重派の西田昌司議員
「マイノリティーの方を保護することも大事だけれども、サイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)の方々が息苦しいというのも逆に出てくることもあったりする。だから、そういうことにならないように」

賛成派の中谷元・元防衛大臣
「悩んでいる人とか、困っている人、希望を失っている人が現実にいるわけですから、この法案が国会で通ることによって、そういう方々も救われる」

会議では、慎重派の懸念についても国会で議論することを条件に、法案は了解されました。自民党は今後、総務会などで党内手続きを進めます。

■ニュージーランド議会「今まで通りの人生が続く」

有働由美子キャスター
「国会議員の方々にも聞いていただきたいスピーチがあります」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「ニュージーランドの議会で2013年、同性婚を認める法案を審議した際に、賛成の議員が行ったスピーチです」

モーリス・ウィリアムソン議員(当時)
「私たちがやろうとしているのは、『愛し合う2人の結婚を認めよう』、ただそれだけです。自分と違う人を好きになれないのは分かります。あすも世界はいつものように回り続けます。だから大騒ぎするのはやめましょう。この法案は、関係がある人には素晴らしいものですが、関係ない人には、ただ今まで通りの人生が続くだけです」

■50か国以上で「差別禁止」 日本は…

有働キャスター
「まさに、この言葉に尽きるんじゃないかなと思います」

小野解説委員
「そうですね。同性婚についての発言ですが、これは8年も前のスピーチです。こうやって世界の国は早くからLGBTについて取り組んできました。同性婚を認めるとまでいかなくても、そもそも『性的指向で差別してはならない』と定めている国が多くあります。認定NPО法人虹色ダイバーシティによると、50か国以上に上ります」

「ほんの一例ですが、カナダは1996年、イギリスは2010年、オーストラリアは2013年と、もう何年も前に法律で『差別は禁止』とはっきり記し、職場などでの権利を守っています。今、自民党の会合で話し合っているのは、海外のような『差別禁止』よりももっと手前の、『理解を促進しましょう』という法案についてです。それですら揉めてきました」

有働
「この段階の議論で揉めている日本で、あと2か月あまりで“多様性”を掲げたオリンピック・パラリンピックが開催されます」

(5月24日『news zero』より)