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今国会見送り“LGBT法案”抗議の声拡大

2021年5月31日 18:06
今国会見送り“LGBT法案”抗議の声拡大

LGBT(=性的マイノリティー)への理解を促進するための法案をめぐり、自民党が、今の国会への提出を見送ったことに抗議の声が広がっています。

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31日、自民党本部前では。

東京レインボープライド共同代表理事・杉山文野氏「この法律ができることによって、たくさんの命が救われます。でも法律ができたからといって、反対している人たちの命が奪われることはありません」

性的マイノリティーの当事者らが抗議したのは、LGBT法案の国会提出が見送られたことについて。

参加者「今まさに、とても生きづらい状況にあって、でも守られない人たちがいて、今生きるか死ぬかもしかしたら考えているかもしれない」

自民党本部前で30日夜から座り込むなど、抗議を続ける当事者や支援者。「ありのままで生きてよいと思える法律が必要」だと訴えているのです。

この法案をめぐっては、自民党の推進派と野党が合意した「差別は許されない」とする文言に、自民党の一部議員が反発。「権利を主張する裁判が相次ぐ」などの異論が出されました。

さらに、「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」との発言もあったといいます。

この発言について簗和生議員は、日本テレビの取材に「LGBTなど性的少数者をめぐる理解の増進は必要」とする一方、「会議は非公開のため、発言についてお答えすることは差し控える」と回答しています。

その後、自民党は、法案を了承する手続きを取りましたが、反対派は納得せず。自民党幹部は、6月までの今の国会では審議時間が十分取れないとして、法案の提出を見送ることを決めたのです。野党は。

立憲民主党・枝野代表「オリンピックの理念として。(法律を)開催前に作っておかなければならないというのが与野党一致した共通の考え方であります。なんとかこの国会中に成立させたいと思っています」

31日午後、当事者らは「LGBTは種の保存に背く」との発言の撤回と謝罪を求め、9万4000を超える署名を自民党側に提出しました。署名を呼びかけた人は。

署名を呼びかけた人「差別が当たり前に許されないということを、まず理解している自民党であってほしいと思いますし、そういう社会であってほしいと思います」