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国会で異例の展開…“土曜採決”舞台裏 首相“こだわり”のワケは? “裏金”次の焦点は?【官邸キャップ解説】

2024年3月4日 18:09
国会で異例の展開…“土曜採決”舞台裏 首相“こだわり”のワケは? “裏金”次の焦点は?【官邸キャップ解説】

国会は、週末は「異例の展開」となりました。(1) 異例“土曜採決”舞台裏で… (2) 首相“こだわり”のワケ (3)“裏金”問題 次の焦点は。この3つのギモンについて、政治部の平本典昭・官邸キャップが解説します。

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まず1つ目、「異例の“土曜採決”」を物語る3つの数字を用意しました。・31年 ・約800人 ・約1800万 これは何の数字だと思いますか?

「31年」は、本予算案の採決を、予算委員会と本会議で土曜日に行ったのは、なんと1993年以来、31年ぶり。「800人」は、衆議院の職員が約800人で、深夜の国会で残業をしたり、土曜の休日出勤をしたりした人数です。超過勤務の過去の例を調べたところ、5年前に「深夜国会」があったのですが、この時は超過勤務代が「約1800万円」かかりました。今回はまだこの数字はわからないのですが、当時の数字を調べた国会関係者によりますと、今回の深夜手当だけでも「今回も同じ規模になるだろう」と目安として話していました。

──異例の「深夜国会」「土曜採決」。なぜ、そうした事態になったのでしょうか?

まず、複数の与党・野党の幹部が口をそろえて、一番こだわったのは岸田総理だと証言しています。

実は、1日(金)の深夜に自民党幹部の1人が岸田総理に「採決を週明けに先送りしてはどうか」と提案したそうなんです。立憲民主党の国対幹部は「一度は採決は先送りでまとまりかけた。岸田総理がひっくり返した」と証言しています。ただ、岸田総理は周辺に「1度たりとも先送りなんて考えなかった」とも話しています。

──予算を編成して執行するのは、とても大切な政府の仕事というのはわかるんですが、そこまでなぜ、岸田総理はこだわったのでしょうか?

こだわったのは「表の理由」と「裏の理由」、2つあると思います。

まず、迫られた表の理由ですが、国民生活に直結する予算案は、今年は能登半島地震への対応費用も含まれていて、成立させることは政府与党としては、何よりも優先すべきことでした。そうした中、予算案は2日(土)までに衆議院を通過させれば憲法の規定で「自然成立」が確定します。参議院でどんなに議論が荒れても自動的に成立するわけです。

岸田総理は周辺に「予算が一番大事で、政倫審への自身の出席も土曜採決も、年度内成立を確実にするための決断だった」と話しています。

表の理由は、予算を成立させ政権運営を安定化させることでした。

では、裏の理由は何か。

ある政権幹部は「これで4月の内閣総辞職はなくなった」と言っています。実は、岸田政権では「政治とカネ」の問題で非常に弱まっていることから、ある自民党のベテラン議員は、予算成立が危うくなれば「予算と引き換えに岸田内閣が総辞職せざるを得ない」と先の議論をしていました。

ある政権幹部は「参議院で何かが起きても、予算が成立するかしないかドキドキして過ごすか、この時点で成立が見えて1か月過ごせるかは、雲泥の差だ」と言っていました。

つまり裏の理由は、政権運営の先行きが見えない中、岸田総理サイドからすると「最速の退陣シナリオを消す」ことだったと思います。

──予算自然成立が決まったとはいえ、政倫審での安倍派幹部の説明では疑惑解明とまではいえないでしょうし、まだまだこの先、岸田政権、先にはいろいろな問題がありそうですね。

先の問題、まず1つは、政倫審で安倍派幹部が説明しましたが、大きく2つの疑惑が解明されずに残ったといえます。

1つ目は、安倍派の組織的な裏金づくりがいつ始まったか。2つ目は、廃止が決まったキックバックが再開された経緯、関与された人物について。

野党側は、安倍派幹部で再開を決定する会合に出席していた下村元文科大臣や、さらには派閥で長く影響力を持つ森元総理大臣に事情を聞くことが必要だと攻勢を強めています。

岸田総理にもう1つ降りかかる問題は、安倍派幹部の「処分問題」です。こちらも、そろそろ決めなくてはいけない時期にきています。

予算の年度内成立という局面はなんとか切り抜けましたが、3月もまだまだ苦しい局面は続きます。

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