山際氏後任に後藤前厚労相 “細田氏や萩生田氏に…”飛び火警戒する声も
岸田首相は、世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”をめぐる問題で辞任した山際経済再生相の後任に、後藤前厚生労働相を起用しました。これで“統一教会”の問題に区切りが付くのか、与党内からは、この問題の“飛び火”を警戒する声も上がっています。
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25日朝に開かれた閣議。辞任した山際氏の姿はなく、席が空いていました。
岸田首相が後任に起用したのは、政策通として知られる後藤茂之氏です。
新経済再生相 後藤茂之議員
「それでは、官邸に向かいます」
岸田首相と面会した後には、経済対策に向け、さっそく始動すると意気込みを語りました。
新経済再生相 後藤茂之議員
「非常に重要な課題が山積しておりまして、しっかりと取り組んでいきたい」
後藤氏は、岸田内閣の発足から今年8月まで厚生労働相を務め、国会答弁が安定していると評価されていました。また、いわゆる“統一教会”との関係については「会合に行ったり、呼ばれたり、選挙の応援をしていただいているという認識は全くありません」と述べ、接点はないと認識していると説明しています。
起用した理由を岸田首相は、「即戦力になる」と説明しました。
岸田首相
「政治経験の豊富さ、そして、説明能力の高さ、さらには経済社会の変革に向けての情熱、この3点を重視して…」
岸田首相の周辺からは、「前厚労相としてコロナ対応にあたり、経済政策にも明るい。“統一教会”との関係もしっかり説明できる」と、事態の打開に向けて期待の声があがっています。
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25日午後に開かれた衆議院本会議。山際氏が後藤氏と言葉を交わす場面もありました。
24日の辞任を受け、急きょ野党が質問を行うことになりました。
立憲民主党 逢坂代表代行
「今回の混乱は、山際大臣の更迭を決められない岸田総理が引き起こしたものであり、その責任は重大です。総理いかがですか」
共産党 塩川鉄也議員
「今、岸田総理が行うべきことは、自民党と統一教会の癒着の徹底解明であります。細田議長も、議院運営委員会の場で説明質疑を行うことを求めるものです」
こうした質問に対し岸田首相は――
岸田首相
「ご意見を受けとめ、政策に遅滞が生じないよう、政府一丸となって国政の運営にしっかりと取り組むことで、職責を果たしてまいります」
岸田首相には、急きょ、野党の質問時間を設ける異例の対応をとってでも、“統一教会”の問題に区切りをつけたい考えがあったとみられます。
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本会議に先立ち、国会では、池にニシキゴイを放流するイベントが行われました。そこには、“統一教会”との関係について説明を求められている細田衆院議長や、萩生田政調会長の姿がありました。
細田衆院議長
「優雅に泳ぐ姿が、平和をイメージさせるとうかがっております」
しばし、ニシキゴイに癒やされていた細田議長ですが、野党は、説明の場を再度、求めていくとしています。
立憲民主党 笠浩史議員
「議長がですね、自らきちんと自らの言葉で説明をすべきであるということは、これはまだ行われておりませんので」
自民党幹部からは、「今後、細田氏や萩生田氏に飛び火するのではないか」と警戒する声があがっています。