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グルメサイトで“評価”野党「密告を推奨」

2021年7月16日 18:37
グルメサイトで“評価”野党「密告を推奨」

政府は、感染対策のとり組みのひとつとして、グルメサイトを通じて利用客に飲食店の感染対策を評価してもらう仕組みを導入しようとしています。野党は、「国民に密告を推奨するものだ」と批判しています。

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東京・新橋の焼き肉店は、感染対策のため座席にアクリル板で仕切りをもうけています。そのうえで─。

「テーブルのアルコール消毒、徹底しています」

飲食店での感染対策をめぐって、政府が、今、導入を検討しているのが、グルメサイトを使った情報収集です。

「ぐるなび」「食べログ」「ホットペッパー」の大手3社のグルメサイトを通じ、利用者が飲食店の感染対策を評価するというものです。利用者は、消毒や座席の間隔など、店の感染対策についてグルメサイトにリンクがはられたアンケートにこたえます。

その情報を国がとりまとめ、各都道府県に通知し改善指導などを行う事が想定されています。指導に従わない場合は、感染対策を適切に行っているという認証を取り消すこともあり得るとしています。これをめぐって、16日国会では─。

立憲民主党・逢坂誠二議員
「西村大臣、今また、これは、私は絶対やっちゃいけないと思うんだけれども、グルメサイトを使ってあたかも国民に密告を奨励するかのようなことを、今やろうとしているわけです。どれが正しいのかどうかっていうことも、これなかなか簡単には判断できない。でもそういうことを政府みずから、しょうようしてやる。これは絶対に私は避けるべきだ、というふうに思っています」

内閣官房コロナ対策室 担当者
「しっかりとした感染対策をしているところは、例えばまん延防止等重点措置の期間中その区域であっても、お酒提供できますよというインセンティブ付与も仕組みとして、その一環の中でですね、させていただいておるものでありましたけれども」

地域によっては、感染対策の条件を満たせば、酒類の提供などが緩和されるため店側にプラスになるものだと説明しました。しかし、飲食店からは戸惑いの声も出ています。

近江牛肉店本店オーナー 谷奥貴秀さん
「東京都がどのぐらいの基準を要請しているのを、まずは(お客さんが)知ってからでないと答えられないし、知らないで答えると 混乱がおこるんじゃないか。(意見が)偏ったりすんじゃないかという意味では反対です」

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16日、このグルメサイトを使った情報収集について問われた西村経済再生担当大臣はー。

西村大臣
「(客に)投稿された情報だけを持って、何か飲食店の(感染対策の)認証を取り消されたりするものではございません。他方、ライバル企業とか一部の利用者から悪意を持ったですね、書き込み、これの弊害を心配する声があることも承知をしております」

西村大臣は、緊急事態宣言下で酒類提供の停止を要請している東京では、この仕組みはなじまないと考えているとしたうえで、今後、どう運用するか検討するとしています。