“裏金”議員の処分を決める!「党紀委員会」って何?
岸田首相は17日の自民党大会で、不記載があった議員に関して「党紀委員会の議論を経て、厳しく対応をする」と述べました。党紀委員会とはどのような機関でしょうか?
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■党紀委員会って?
党紀委員会とは自民党内の組織。党の規則=党則では「党の規律を保持し、かつ、党風を振興するため、党紀委員会を置く」と書かれています。国会議員を含む党員が「①党の規律をみだす行為」「②党員たる品位をけがす行為」「③党議にそむく行為」、この3ついずれかの行為に該当した場合、党紀委員会で処分が下されます。
党紀委員会は18人で構成されています。18人の内訳は、衆議院議員8人、参議院議員4人、元国会議員2人、そして「人格が高潔で識見の高い者」つまり外部有識者4人です。党内の意見以外も参考にするため、外部有識者にも委員をお願いしていると言います。党紀委員長は逢沢一郎衆院議員です。党紀委員会は、党紀委員5人以上の請求、または、幹事長の要請があった時に、党紀委員長が委員会を招集し開かれます。
■どんな処分があるのか
処分は8段階、⑧が最も軽く①が最も重い処分です。
①除名
②離党勧告
③党員資格停止
④選挙での非公認
⑤国会等の役職辞任勧告
⑥党の役職停止
⑦戒告
⑧党則遵守の勧告
党紀委員会では最初の審査会でも、本人の要求があれば、文書という形で弁明をすることができます。また、出された処分に不服がある場合は、総裁に対して理由を明らかにして再審査を請求することができます。その後、自民党の最高意思決定機関である総務会で認められれば、再審査が開かれます。
■過去には
党紀委員会が開かれ処分が決まった過去の例としては、直近では、2022年10月12日に村上誠一郎議員が、安倍元首相を「国賊」と非難する発言をしたとして「⑥党の役職停止」が決定されました。この決定により、村上議員は総務会の「総務」の役職などを解かれました。
また、2021年12月13日には山崎拓元副総裁が、2021年10月の衆議院選挙で立憲民主党の候補を応援したため、党の規律をみだしたとして1年間と期限付きで「③党員資格停止」の処分を決めました。
最も重い「①除名」が決定されたことがあるのは2011年7月5日、当時の民主党・菅内閣の総務政務官を引き受けた浜田和幸元参院議員に対する処分です。浜田氏は離党届を提出していましたが、党紀委員会では離党ではなく、最も重い「除名」を決定しました。
■“裏金議員”処分、一般社会と比較して、何が妥当?
裏金事件で逮捕された池田佳隆議員は、「除名」が決定しました。在宅起訴された大野泰正参院議員と、略式起訴された谷川弥一前衆院議員は、自民党に離党届を提出し受理されています。
焦点は、刑事責任は免れたものの、政治資金収支報告書に不記載があった議員らの処分です。すでに自民党は不記載が確認された安倍派と二階派らの議員82人全員を一斉に処分する方向で調整を進めています。これだけの議員が処分を受けるのは、2005年に郵政民営化法案に反対したいわゆる造反議員50人以上の処分を決めた時以来で、この時は10人が除名、27人が離党勧告という重たい処分が下されました。