自民「議席減」予測で…総裁選の思惑
9月末の任期満了に伴う自民党総裁選の日程が決まりました。次期衆院選で「議席が大幅減」という情勢調査の結果を受け、党内は揺れています。総裁に選ばれても衆院選の議席減の責任が問われるため、「衆院選後に再び総裁選も」との思惑がくすぶっています。
■世論調査で挙がる「3人」動く気配なし
有働由美子キャスター
「事実上、次の首相を決める自民党の総裁選の日程が26日、決まりました。9月17日告示、29日投開票です。菅首相のほか、岸田前政調会長が26日に立候補を表明し、高市前総務相と下村政調会長が出馬を目指しています」
「NNN・読売新聞世論調査(8月7~9日、全国の有権者に電話調査、1065人が回答)で『次の首相にふさわしい人は?』の問いに対し、名前が挙がったのは石破元幹事長(19%)、河野ワクチン接種担当相(18%)、小泉環境相(17%)でしたが、この3人は現状ではやはり、動く気配を見せていません」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「『今はコロナ対応を優先させるべきだ』とか、『現職の閣僚なので首相を支える立場だから』などそれぞれ理由はあるのですが、もう1つ、出馬を控える背景なのか、気になる数字があります」
■70議席減なら…与党「過半数」は
小栗委員
「自民党が最近行った『衆院選の情勢調査』で、40~70議席減らすかもしれないという結果が出ました。ある官邸関係者は、『自民党が40議席程度減らすものの、そこまで悪くない数字』という受け止めでした。一方、ある自民党幹部は『40議席ならまだしも、70議席減はヤバい』と言いました」
有働キャスター
「どういうことでしょうか?」
小栗委員
「次の総選挙は、過半数が233議席です。今は自民党が276議席、公明党が29議席なので、自民党単独で過半数を超えています」
「ここから40議席減ると236で、自民党単独で過半数ギリギリ。仮に70減ると206になり、自民党単独はおろか、公明党と足しても235議席で過半数ギリギリになります。大幅に議席を減らすかもしれない、という調査結果でした」
■議席「大幅減」で“責任問題”浮上
有働
「これでは浮足立つのも無理ないと思いますが、それならなおのこと、自民党としては人気のある人を選びたいところですよね」
小栗
「ただ政治というのは怖いもので、もう一歩先を考えると、衆院選でどうやってもこのコロナ禍で議席を大幅に減らすとすると、その時の総裁の責任問題が出てきます」
「今回の総裁選で勝ったとしても、また衆院選の後に交代させられてしまうかもしれない。だとすれば『衆院選の後の総裁選びで顔を変えた方が得じゃないか』という見方も、自民党内にはあります」
(8月26日『news zero』より)