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自公過半数ならず“衆院選に不安”記者解説

2021年7月5日 5:17
自公過半数ならず“衆院選に不安”記者解説

東京都議会議員選挙は開票が行われ、前回、大敗した自民党が第1党に返り咲きましたが、自公あわせても過半数には届きませんでした。今回の都議選の結果について、都庁担当・中丸由子記者が解説します。

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自民党は、第一党を奪還したものの、公明党とあわせて過半数に届かず、一方、都民ファーストの会は、議席を減らしながらも自民に迫る第二党に踏みとどまり、今回の都議選は、明確な勝者がいない「痛み分け」となりました。

選挙戦では、前回「小池旋風」で圧勝した都民ファーストへの票をどこが取るのかが注目されましたが、自民党は、からくも第一党になったものの、都民ファや無党派層の票を取り切れませんでした。

自民党幹部は、「最後の最後で小池知事にひっくり返された」「東京五輪や新型コロナ対策など菅政権への不満が表れたのではないか」と話し、衆院選に不安を残す結果となりました。

一方、苦戦が予想された都民ファーストは、小池知事の入院による同情票や、最終日のサプライズ応援が後押しとなり、第二党に踏みとどまりました。

小池知事は、今後、安定的な都政運営のため、自民・公明党とも協力関係を結ぶとみられますが、自民と都民ファの関係は「水と油」で、都議会では混迷も予想されます。

ただ、小池知事としては、都民ファが第二党となり、自公の過半数獲得を阻止したことは、「小池人気」を強く印象付け、都政での主導権と自らの今後の選択肢を維持しました。

そして、東京大会の後に小池知事が国政に転身するのかどうか、その動向も注目されます。