幹事長交代へ…“首相が変わるべき”の声も
自民党の二階幹事長の交代を検討している菅首相。この党役員人事にあわせて、内閣改造も行う考えです。人事で支持率回復を狙う菅首相ですが、党内からは「菅首相自身が変わらなければ」と冷めた声もあがっています。
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菅首相(31日午前)
「おはようございます」
30日、二階幹事長の交代を検討していることが明らかになった菅首相。
二階氏は、菅政権誕生の流れをつくった立役者ですが、5年も幹事長を続け、権力を握っていることへの不満が党内に渦巻く中…
首相周辺
「二階氏をかえなければ総裁選はたたかえないと思った」
菅首相は、来週前半にも党役員の顔ぶれを一新する人事と内閣改造を行い、支持率回復につなげたい思惑です。
党内からは…
自民党幹部
「二階さんをかえれば起死回生の策になる」
評価の一方で、冷ややかな声も…
自民党幹部
「幹事長をかえたぐらいで活路が開けると思ってたら大間違いだよ。自分が変わらないといけないんだから」
閣僚経験者
「菅さん追い込まれているよね。“岸田つぶし”ということなのでしょうけど」
党役員の若返りを訴えた岸田前政調会長の勢いへの焦りだと指摘する声もありました。
自民党 世耕参院幹事長(31日午後)
「(Q.岸田さんの出馬会見の争点(役員若返り)つぶしだという見方もありますが、どう受け止める?)そういう争点をぼかすという指摘もあれば、岸田さんが先べんをつけたという考え方もあるんじゃないでしょうか」
先べんをつけたと評されたその岸田氏は31日、二階氏への言及はさける形で改革をやり抜くと意気込みを語りました。
総裁選に出馬表明 岸田前政調会長
「特定のどなたかを念頭に何か申し上げたのではなくして、自民党が権力の集中等をしっかり防いで、国民の信頼を回復するために改革を申し上げたので、やりきらなきゃいけない」
総裁選をめぐっては、「白紙」と述べた石破氏の動向が注目されていますが、依然、態度は明らかにしていません。
こうした中、立候補に意欲を示している高市氏。各派閥のトップには挨拶回りを済ませ、今は、推薦人20人の確保にむけ、無派閥議員らに電話で支持を訴えるなど、水面下で「ステルス作戦を展開する」と関係者は話しています。
総裁選をめぐる自民党内の動きに野党は…
立憲民主党 枝野代表
「内部の権力闘争に明け暮れている政権は、なんとしてでも、一刻も早く倒して、しっかりと命と暮らしを守れる政権を作っていきたい」
こう批判したうえで、次の衆院選での政権交代を改めて強調しました。
その衆院選をめぐってはここにきて、解散はせずに10月5日公示、17日投開票の「任期満了選挙」を閣議決定する案が浮上。その場合、自民党総裁選を衆院選後に先送りすることも検討されています。
ただ、菅首相の周辺は、「まだ解散の余地も残している」とも話していて、菅首相はギリギリまで状況を見極める方針です。