河野氏あす立候補表明へ 原発、皇位継承は
自民党の総裁選挙をめぐって、河野ワクチン担当大臣が10日に記者会見を開き、立候補を表明することが分かりました。野党は、緊急事態宣言の延長が決まる中、総裁選にかまけて政治空白をつくっていると批判しています。
■「1週間で人間は変われるもんなんだなぁ」
総裁選への立候補を10日に正式表明する見通しの河野ワクチン担当大臣。9日も、自身が所属する派閥のトップ麻生副総理のもとへ。会談はこの1週間で4回目です。
今回、河野氏を支援するべきか、決めかねているという麻生副総理。8日、麻生派の会合で、「1週間前に会った河野とこの前会った河野では変わってきている。1週間で人間は変われるもんなんだなぁ」と述べたといいます。
■“異端児”河野氏、脱原発や女系天皇については今…
脱原発や女系天皇の容認などを主張し、党内では“異端児”とも呼ばれる河野氏。超党派の議員連盟「原発ゼロの会」を立ち上げ共同代表も務めていましたが、8日、あらためて原発政策について問われると──
河野ワクチン担当相
「安全が確認された原子力発電所というのを当面は使っていくっていうことはあると思います」
原発を「明日、来年やめろと言うつもりはない」とトーンダウン。
同じ議連に所属する立憲民主党の菅元総理は「結局安倍、麻生元総理の支持が欲しいために自説を曲げた」と、総裁選の為の変節だと批判。
さらに河野氏は、女系天皇を容認するかどうかについても「男系で続いてきているというのが日本の天皇の一つのあり方だ」と述べるにとどめました。
こうした発言について河野氏に近い議員は、「脱原発と女系天皇に関しては踏み込まないことにしている」「色々やることで、河野さんらしさが消えてしまうんじゃないかと心配だ」などと話しています。
■岸田氏や高市氏、“皇位継承”に関しては…
一方、いち早く立候補を表明した岸田前政調会長は9日夕方、麻生副総理のもとを訪れ支持を訴えました。その岸田氏は、皇位継承のあり方については、明確に否定。
岸田前政調会長
「女系天皇については、私は反対であります。いま、そういうことをいうべきではないと思っています」
8日に立候補を表明した高市前総務大臣も、男系天皇の維持を重要視する安倍氏の方針を引き継ぐことを強調しています。
高市前総務相
「安倍内閣でどうしてもやり残したこと、ございますし、次の総理というのは、ご皇室のあり方を決定しなきゃいけない。大変大事な時期を担うことになるんだと」
■野党は総裁選めぐる自民党の動きを批判「政治空白つくっている」
総裁選をめぐる自民党の動きについて、野党は──
立憲民主党・白真勲議員
「河野ワクチン担当大臣が連日、麻生財務大臣室を訪問して、これ公私混同、職務放棄と言われても、私はしょうがないと思いますよ。もし総裁選に出るならば、河野大臣は辞めて総裁選に専念すべきだと思いますけど」
立憲民主党・福山幹事長
「総裁選にかまけて政治空白をつくって、まん然と緊急事態宣言を延長するのが政府の仕事なんでしょうか」
福山幹事長は「総裁選より大切なのは国民の命でありコロナ対策だ」などと厳しく批判しました。