新総裁誕生へ 4候補のツイートを比較
いよいよ投開票を迎える自民党総裁選。告示日以降、4候補はSNSを駆使した情報発信を続けましたが、なかでも「ツイッター」を重視、頻繁に投稿を行いました。フォロワー数の推移やツイートの内容などを分析しました。
■4候補全員が選挙期間中にフォロワーを増やすが伸びには差
今月17日の告示から28日までに、4候補全員がツイッターのフォロワー数を増やしました。フォロワー数については1位:高市氏、2位:河野氏、大きく差が開いて、3位:岸田氏、4位:野田氏となりました。
期間中の増加数も伸び率も高市氏が高く、岸田氏も増やしましたが、河野氏の伸びはほとんどありませんでした。
河野氏は個人名のツイッターアカウントのフォロワーが242万と他の候補を圧倒していましたが、総裁選関連の投稿については、出馬表明後に開設した「河野太郎@自民党総裁選」のアカウントで行いました。積極的な投稿を行ったものの、新たなフォロワー数は伸び悩みました。
*9月17日と28日午後9時現在のフォロワー数
高市早苗氏 175,631→226,562フォロワー(+50,931)
河野太郎氏 157,121→159,237フォロワー(+2,116)
岸田文雄氏 53,446→ 62,985フォロワー(+9,539)
野田聖子氏 12,815→ 17,777フォロワー(+4,962)
4候補による数々の投稿のうち、最もリツイートが多かった投稿を比べました。
■岸田氏 鬼滅の刃への言及
岸田氏は「#岸田BOX」のハッシュタグを使い、有権者からの質問に答える取り組みを行いました。
最も多くリツイートされた投稿は、岸田BOXに返信した「鬼滅の刃を全巻読破した。漫画、アニメ、映画など日本のソフトパワー産業に関わっている方々の所得向上にも取り組みます」で、リツイート数は1363件に上りました。
■高市氏 誹謗中傷を止めるよう呼びかけ
「他候補への誹謗中傷や恫喝や脅迫によって確保される高市支持など私は要りません」
高市氏はこの投稿が最も多くリツイートされ、1万3510件に上りました。
ツイッター上で、高市氏の支持者と思われるユーザーが、他の候補を誹謗中傷するなどの事例が相次いでいました。高市氏の周辺からも、「ネットで応援してくれる人の中には、あまりにえげつない他候補への罵倒が多い。総裁選には逆に不利になる」と、懸念する声が上がったということです。このため高市氏が、自ら火消しに乗り出したとみられます。
■河野氏 投票呼びかけ動画が拡散
河野氏の最も拡散されたのは「#日本を前に進める」というハッシュタグと共に投稿された投票を呼びかける河野氏の動画ツイートで、リツイートは1189件でした。
一方で、河野氏の親族が経営する会社と中国企業のつながりを指摘するツイートが拡散し、この会社名が数多くツイートされていて、河野氏に説明を求める書き込みも相次ぎました。河野氏は、親族が経営する会社の行った説明などを引用し、「中国寄りではない」とのメッセージを発信し、この投稿も2時間ほどで400件以上リツイートされました。
■野田氏 「夫を信じる理由」の投稿が拡散
野田氏のツイートで最もリツートされたのは、夫が「元暴力団員だった」という一部報道に対し「私が夫を信じる理由」と題し反論した投稿でした。
「夫は自身の名誉回復を求め係争中です。皆さまには諸事情ご理解の上、不当な誹謗中傷等はお控えいただければ幸いです」との投稿に、ユーザーからは「別人格だから関係ない」や「説明しようと努める姿勢は評価できる」など、ポジティブなコメントも寄せられました。
■4候補の一日の平均・最大投稿数は
選挙期間中のツイートの頻度は、4候補に差がありました。岸田氏は、一日平均約9回のツイートと候補者の中で最も多く、9月19日にはテレビ出演情報や、自身の政策やコロナ対策などを、一日で25回投稿しました。
高市氏は、一日平均約7回と2番目の多さで、9月20日には、歌手の嘉門タツオ氏、デーモン閣下、世良公則氏と対談した様子など、一日で13回投稿しました。
河野氏、野田氏はほぼ同じペースで、ともに一日平均約4回でした。
(出典)
*ツイート分析 9/17~28
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