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国会の慣例を打破 立憲の“若手起用”戦略一方、衝撃の自民党“くら替え”もー

2023年2月20日 11:15
国会の慣例を打破 立憲の“若手起用”戦略一方、衝撃の自民党“くら替え”もー
立憲党大会 雑観

今国会で、当選一回の若手議員の活躍が目立つ、野党第一党の立憲民主党。統一地方選に向け、「若い世代の議員を増やす」目標を掲げる狙いとは?一方、“ホープ”と呼ばれた若手が、自民党に“くら替え”も。立憲の「若手起用戦略」は、功を奏すのか。

■政権交代に向け「若手議員を増やす」

19日、都内で開かれた立憲民主党の党大会。泉代表は春の統一地方選で、『45歳以下の議員を50人増加』させる目標をかかげた。一方、岡田幹事長は「このままでは政権交代は実現できない」と強い危機感を口にした。

■総理への代表質問 一回生“異例”の起用

政権交代をかかげ、若い世代の取り込みを目指す立憲民主党だが、国会では、当選一回の若手議員の起用が話題になっている。

「岸田政権は、防衛増税ファーストの『子ども政策後回し政権』です!」1月25日、通常国会の代表質問。党のトップ・泉代表とともに岸田首相を追及したのは、2021年の衆議院選挙で初当選した大築紅葉(おおつき・くれは)議員(39)。

「代表質問」とは、総理大臣の施政方針演説に対し、党を代表して質問する場だ。テレビ中継が入り、約30分間の質問は党幹部クラスが担当することが多く、一回生の抜擢は、党内外で話題となった。

ある党幹部は、大築議員について「『岸田増税内閣』を完全に印象付けた。本当は代表がやらないといけないんだけど。代表を食った」と評価した。

また安住国対委員長は起用の狙いについて、「堂々と総理に、新しい感覚で論戦を挑んでもらいたい。こうして頑張っている人もいるんだと、その多様性をどんどん示していきたい」と語る。また、ある議員は、起用の狙いについて「若手議員を前面に出して、若い世代との対話を強化したい」と解説する。

■総理を追い詰め、「子ども予算倍増」答弁引き出す

さらに予算委員会では“平成生まれ”の議員が初めて岸田総理と対峙した。馬場雄基(ばば・ゆうき)議員は、現在、国会議員の中で最年少の30歳。予算委員会の場で、30歳以下の議員が総理に質問を行うのは、小泉進次郎議員以来、12年ぶりだという。

馬場議員は子ども関連予算について、「どの予算を倍増させるのか」と岸田首相に迫り、新たな答弁を引き出した。国会の花形・予算委員会でも若手議員が存在感を発揮することに成功した形となった。

■一方…若手の不安 自民への“くら替え”に激震走る

一方で、昨年末、手塩にかけて育ててきた“若手のホープ”が、自民党への“くら替え”する事態も起こった。次期衆院選でも公認候補予定者となる総支部長をつとめていた女性が、党を離れて自民党の推薦を受け、県議選に立候補すると表明したのだ。突然の自民への転身に対し党はこの女性を「除籍処分」に。

岡田幹事長は「政治の世界で活動する者としては大きな裏切り。これまで支えてくださった方々に対する、背信行為」と強く批判した。しかし、こうした執行部の姿勢に、ある20代の地方議員はこう疑問を口にする。

「もちろん“くら替え”は許されるものではないが、党の執行部は批判するだけではなく、なぜ“党を離れる”という究極の選択をせざるを得なかったのか、原因に向き合うのが先ではないか」。

さらに、党の地方組織の現状についても「総支部長がいない選挙区が発生している。地方議員が宙ぶらりん状態。どこをよすがにして活動の基盤にしたらいいかわからない状況になってしまう。せっかくやる気があるのに、活動が硬直化してしまう」と不満をあらわにした。

■若手議員を増やすには…地方組織の強化が課題

立憲民主党が掲げる「若手議員を増やす」目標を達成するには、自らの足元を見つめ直し、地方組織を中心に党の基盤を強化することが不可欠となる。

来たるべき次の衆院選で若手の国会議員を増やし“政権交代”の足がかりを作ることができるのか。党全体の本気度が問われている。

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