選択的夫婦別姓も争点に “事実婚”家族の生活は? “夫婦別姓”の子「困ったことない」
今回の選挙の争点のひとつとなっている「選択的夫婦別姓」についてお伝えします。「夫婦が同じ姓を名乗る」と法律で定めているのは世界で日本だけとされる中、これが女性差別にあたるのか。国連の委員会では17日夜、日本政府も出席した審議が行われています。
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東京都内で夫と子どもの3人で暮らす上田さん。婚姻届を出さない“事実婚”を選択しました。
姓を維持するため事実婚 上田さん
「単にお互いに私もパートナーも、自分の姓をキープしたいと思っている」
現在、日本では結婚する際、夫婦で同じ姓を名乗るよう、民法で定められています。
事実婚の上田さんは、生活の中で名字を使い分ける必要がない一方、社会の制度が追いついておらず、不便に感じることもあるといいます。
姓を維持するため事実婚 上田さん
「この住宅を買ったんですが、ペアローンを組むときに事実婚だと組めない金融機関がすごく多いということを知って。法律婚していたって別れる人たちは今、3組に1組いる時代なのに、そこ(法律婚か否か)を見るのか」
また、子どもについても事実婚の場合、現在は共同で親権を持つことができないため、上田さんだけが親権を持っています。
姓を維持するため事実婚 上田さん
「2人で協力して育児をしてきたが、(子どもが成長する中で)なにか不利益にならないかっていう心配は常にあります」
今回の選挙でも、争点のひとつになっている「選択的夫婦別姓」。
日本時間の17日夜、国連の女性差別撤廃委員会でも議論が。法務省などによると、世界で日本だけが定めているとされる“夫婦同姓”の法律について、この委員会は21年前から変更を求めていて、この後、議論になるとみられます。
スミス・ミッシェルさん(29)
「(別姓で)困ることはないので、本当に早く導入してほしいの一言につきます」
こう話すのは、両親が国際結婚をしているため「夫婦別姓」の家庭で育った女性。現在は結婚していますが、姓をめぐっては…
両親が夫婦別姓 スミス・ミッシェルさん(29)
「自分の名前に対するこだわりが強かったので、結婚するとなったときは夫に『私は改姓したくない』と伝えていて」
夫も、ミッシェルさんの姓を継ぐことを快諾したものの、両親から「夫の姓にした方がよいのでは」との声もあり、夫の名字になりました。しかし、その後、話し合った上で夫に改姓してもらい、夫婦は彼女の姓を名乗っています。
ミッシェルさんは「夫婦別姓」の両親の元で育った立場として、こう話します。
両親が夫婦別姓 スミス・ミッシェルさん(29)
「本当に特に困ったことはなくて、それが当たり前で育ったので。(家庭で)名字が話題になることって本当にないので。別姓だからなに?っていう感じで、本当に意識することってないと思います」
一方で、選択的夫婦別姓について「家族の絆が壊れてしまう」「子どもの姓をどちらにするのかをめぐり、混乱がおきる」など、反対の声も上がっています。
日本国内で大きな議論となっている「選択的夫婦別姓」。今回の総選挙で候補者は?
(10月17日放送『news zero』より)