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予算めぐる与野党協議 トップ対決で石破首相が「新たな発言」

2025年2月17日 18:59
予算めぐる与野党協議 トップ対決で石破首相が「新たな発言」

国会では、来年度予算案の成立をめぐる与野党の協議が、大きな山場を迎えています。17日、野党トップとの直接対決で、石破首相の口から「新たな発言」が飛び出しました。


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17日午前、真剣な面持ちで国会に入った石破首相。来年度予算案をめぐり、国会は今週“最大の山場”を迎えています。

野党で最初に質問に立ったのは、立憲民主党の野田代表です。

立憲民主党 野田代表
「我々は、いたずらに予算を人質にとって衆議院の予算通過を遅らせたり、あるいは年度内成立を阻むということはしないというふうに決意をしています。実はこれは本当は“トラウマ”がありましてね」

質問の冒頭、“あるトラウマ”について語り始めた野田氏。実は野田氏が首相だった2012年、当時の野田内閣は予算の年度内成立ができず、「暫定予算」を組んだ苦い記憶を“トラウマ”と表現したのです。

立憲民主党 野田代表
「2012年の3月30日、暫定予算の審議を衆議院に戻ってきて、(審議)していただいた時に、厳しく責任を問うてきたのが、(当時)予算の筆頭理事だった“石破茂さん”でした。その時に苦しい答弁をしたのが、私と安住財務大臣(当時)でございました」

石破首相
「12年前そんなことがありましたですね。本当に私どもも、いろいろと改めねばならないことはたくさんあると思っております」

それから約13年がたち、立場が入れ替わった2人。野田氏は予算成立を「人質にとらない」として和やかな雰囲気で始まったのもつかの間、直接、石破首相に“予算案の修正”を迫りました。

立憲民主党 野田代表
「当事者の意見を聞かないで決めたということは、私は大きな過ちだと思います。過ちを改まるにはばかることなかれ。一部修正ではなくて、今年から8月から予定をされていますけども、凍結をし、これにかかる予算200億円、見直すべきじゃないでしょうか」

高額療養費の自己負担の引き上げについて、語気を強めて修正を求めた野田氏。

石破首相
「私どもとして制度の持続可能性というものは、何とか担保をいたしてまいりたいと思っております。後期高齢者の方々も、あるいは現役世代の方々も、ご負担は減らしていかなければ、これは制度として持続化困難だというふうに判断をいたしております」

野田氏はこのほか、ガソリン税の暫定税率の廃止など“次々と”修正を求めました。果たして石破首相は、提案を受け入れるのか。

少数与党の石破首相にとって、予算成立のためには、野党の協力が不可欠です。そこで“年収103万円の壁”など、野党の政策を受け入れるかわりに、賛成を取り付けるため、3党との“修正協議”を続けていますが、交渉のデッドラインは刻一刻と迫っています。

その交渉で、17日午後に“動き”がありました。“高校無償化”などを訴える、日本維新の会の前原共同代表の質問で…

日本維新の会 前原共同代表
「高校授業料の基準額は11万8800円でありますが、現在は910万円で所得制限がかかっております。与党からの現段階のご提案では、来年度から所得制限を撤廃すること、政府としてもそれをやるというご意思でいいのか、確認させていただきます」

石破首相
「令和7年(2025年)度分について、年収910万円未満の収入要件を事実上撤廃することを考えたいと思っております。このため令和7年度予算を修正する方向で、与党とも相談をしていきたい」

高校授業料の無償化について、石破首相は修正に応じる考えを示しました。また、今、焦点となっているのが私立高校の授業料の支援額について、維新側は現在の約39万円から63万円への引き上げを主張する中、石破首相は「45万7000円をベースに」と、引き上げる考えを初めて明言しました。

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トップ同士の質疑で、一定の進展があった17日の国会。ただ、維新側は社会保険料の負担軽減なども求めていて、予算賛成を取り付けられるか、協議が続きます。

最終更新日:2025年2月17日 18:59