こども政策 一元化は可能?「こども家庭庁」の審議、今月開始へ
今国会の重要法案である「こども家庭庁」の審議が今月、始まる見通しです。こども政策の一元化は実現するのでしょうか。
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都内の人気保育施設。徹底した感染対策の中、園児らの給食が始まりました。おなかを満たした後は、心地よい音楽の中でゆったりとお昼寝。これだけ見れば、よくある保育所の風景ですが…始まったのは、スポーツの時間。小学校で習うような内容を先取りして教えています。
続いて、こどもたちは目隠しをして…耳を研ぎ澄まして、音感を身につけるという、これまた高度なカリキュラムです。
保護者「ただ遊ばせてるだけでなく、そこに学びがあったらこれ以上うれしい事はない」「預けてる時間も長いし、こどもの成長に期待したい」
施設は開業1年で、利用者数が想定の2倍に達したという事です。
biima school・野辺健一郎園長「預けながら教育をしてほしいという要望は非常に多い」
保護者のニーズは、「保育と教育の両立」ですが、就学前のこどもが利用する幼稚園、保育所、認定こども園の3つの施設は、それぞれ別の省庁が担当。行政の無駄や教育のばらつきなど、縦割り行政の弊害が指摘されていました。そのため、政府は…
野田少子化担当相(2月)「『こどもまんなか』という社会変革をしっかりしていくために、法案の成立に向けてしっかり取り組んでいきます」
こどもに関する政策を一元化して行う「こども家庭庁」の設置を目指し、就学前のこどもが共通の教育・保育を受けられるよう、基準を策定するとしました。
このため、「幼稚園」「保育所」「認定こども園」全てを「こども家庭庁」の下に移管する事が検討されましたが、「幼稚園」については、義務教育との継続性などを理由に、文部科学省が強く反発。引き続き、文科省が担当する事になったのです。
自民党・文科相経験者「まずはこども家庭庁を作る事を優先したという事だ。もう少し時間をかけて幼保一元化は次の段階でやろうとなった」
野党は――
立憲民主党・城井崇議員「こども家庭庁と文部科学省で分断されてしまっている状況が変わっていないものですから、これでは横連携が弱い」
政府案は、縦割り行政の弊害が残ると批判。幼稚園も含め1つの役所が所管する事を目指す対案を提出しています。
政府が来年4月の設置を目指す「こども家庭庁」。法案の審議は今月、始まります。