【時系列】安倍元首相「国葬」 実況タイムライン
7月の選挙期間中に銃撃を受けて亡くなった安倍元首相の国葬が、日本武道館で行われます。大規模な交通規制を伴う厳重な警備体制のもと、海外からも含め、約4300人が参列する見通しです。国葬をめぐる1日の動きを、現場からリアルタイムでお伝えします。(更新終了)
朝の武道館。国葬は午後2時から行われます。
07:30 朝の迎賓館
風が少し冷たい爽やかな朝です。“弔問外交”の舞台となる迎賓館には半旗が掲げられ、周辺では警察官による警備が始まっています。
08:00 迎賓館 外務省幹部到着
弔問外交に同席する外務省幹部も続々と迎賓館に到着しています。今日の最初の会談相手はパプアニューギニアです。
08:20 迎賓館 岸田首相到着
岸田首相は迎賓館に到着。弔問外交で今日の公務をスタートさせます。
パプアニューギニアとの首脳会談開始。
岸田総理は、「パプアニューギニアは太平洋島嶼国地域の安定と繁栄の要であり、天然資源の貿易などを通じて強い絆で結ばれた関係を重視する」などと述べ、引き続き支援していく考えを伝えました。
迎賓館で岸田首相とミシェル欧州理事会議長との会談が始まる。
岸田首相はミシェル議長に対し、国葬への参列に謝意を示したほか、「核兵器のない世界」に向けた取り組みでも「引き続き連携していきたい」と述べました。
迎賓館で日シンガポール首脳会談開始。
岸田首相は会談の冒頭で「一層厳しさを増す国際情勢の中で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化に向けて貴国と連携を深めていきたい」と述べました。
武道館近くの九段坂公園では、予定より早く一般献花の受付が始まりました。「国葬反対」のプラカードを掲げる人も
09:58 日ヨルダン首脳会談
迎賓館では日ヨルダン首脳会談が始まりました。
会談の冒頭、岸田首相は「安倍元首相は、中東の安定の要としてヨルダンを極めて重視するとともに、生前陛下との友情を大変な誇りとしておりました」と語りかけました。
国葬の式場となる武道館では朝から慌ただしく準備が進められています。設置された式壇は富士山をイメージしたということです。
立憲民主党の泉代表は、国葬には執行部として欠席するとした上で、「凶弾に倒れた安倍元総理には哀悼の誠をささげたい。一方で、この国家を運営する者全てが、今回のような国葬を許してはならない。あってはならない。これからも、こうした恣意的な政治利用になりかねない国葬が行われる余地が今もなお残っているということを強く受け止めればならない」と述べました。
迎賓館で日豪首脳会談開始。岸田首相は「安倍元総理の遺志を継ぎ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、日本とオーストラリアの連携をより一層深化させていきたい」と述べました。
国葬には出席する予定の国民民主党・玉木代表は、「改めて安倍元総理に対して、弔意を表したい。静かな環境で行われることを求めたいと思いますし、外国からわざわざたくさんのご弔問客が来られますので、日本としてそういった方々を温かく受け入れ、かつ、滞りなく式が行われることを期待したいと思う」と述べました。
また、賛否が分かれる国葬の実施について「法的根拠がないとは思えない」としたうえで、「今後閣議決定をする際の基準と手続きについて定めることが、国葬儀を行う岸田内閣の残された責務ではないか」と指摘しました。
国葬開始の約3時間前。記者が会場の武道館に入りました。正面には安倍元首相の巨大な遺影、天皇皇后両陛下からの供花も。
オーストラリアの元首相らと岸田首相の会談開始。国葬参列のため来日した、ハワード元首相、アボット元首相、ターンブル元首相らと会談。3人の元首相は、部屋に入ると、岸田総理と固く握手をしました。
都内にある安倍元首相の自宅前は警察犬も登場するなど物々しい雰囲気に。このあと遺骨が国葬の式場となる武道館へ向かいます。
11:30 各省庁の関係者が、バスで続々と武道館に
国葬開始まで残り2時間半。武道館内には、地方公共団体関係者やメディアの会長・役員ら報道関係者等、参列者が続々と集まってきています。安倍元首相と政治的信条が近いとされた、ジャーナリストの櫻井よしこ氏の姿も。
11:41 迎賓館で日印首脳会談が始まる
迎賓館で日印首脳会談が始まる
国葬開始の約2時間前、国会議事堂から喪服を着た国会議員が専用バスに乗車し、式場の武道館へ向かっています。
安倍元首相の国葬開始2時間前の国会正門前では、多くのデモ隊が集まることが予想される中、バリケード設置などの準備が進められています。
日差しが強く気温も高い中、九段坂公園の一般献花台には献花する人の列が続いています。
きょう午前の“弔問外交”を終え、岸田首相を乗せた車列が迎賓館を出発。官邸へ。
武道館の近くで国葬に反対する団体のデモと賛成する団体が接触。衝突しないよう警察官が間に入る。
日比谷公園にて集会が始まりました。デモ行進を前に国葬反対の声をあげています。
12:59 横田さんら拉致被害者家族の方々も参列
国葬開始まで残り1時間ほどを切りました。武道館内に設置された「特別縁故者」席には、13歳で北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母・早紀江さんら、拉致被害者家族の方々も参列しています。
13:05 王貞治氏や原辰徳監督が武道館に
国葬開始まで1時間を切りました。武道館内に設置された「特別縁故者」席には、福岡ソフトバンクホークスの取締役会長である王貞治氏や、読売ジャイアンツの原辰徳監督らも参列しています。
13:06 岸田首相が官邸を出発
岸田首相が官邸を出発し、武道館に向かいました。
都内の安倍元首相の私邸前に自衛隊の儀仗隊が整列しています。まもなく遺骨が出発するものとみられます。
安倍元首相の遺骨を乗せた車が昭恵夫人と共に都内私邸を出発。武道館へ。
13:30 歴代首相が着席
国葬開始まで残り30分です。場内には、菅前首相夫妻のほか、森元首相や小泉元首相、福田元首相、立憲民主党の野田元首相らが前列に並んで座っています。菅前首相はこのあと、「友人代表」として追悼の辞を述べることにしています。
13:40 男子トイレが大混雑
国葬まで残り30分を切りましたが、参列者の大半が、政治家や地方公共団体関係者など男性であるため、男子トイレが大混雑。ある自民党議員は「女子トイレが混雑することはよくあるけど、男子トイレがこんなに混むとは大変なことになっている」とぼやいていました。
国会正門前の交差点では、国葬開始の14時から、国葬反対のデモが始まる予定です。1000人を優に超える参加者が続々と集まっています。
安倍元首相の遺骨を乗せた車が防衛省内の儀仗広場に入りました。防衛省・自衛隊の幹部らが車に一礼し、最後の見送りをしました。
昭恵夫人が安倍元首相の遺骨を両手に抱え武道館に到着。岸田首相らが出迎え。19発の弔砲が鳴る。
社民党の福島党首は国会前の国葬反対デモで「国葬に道理がない。法的根拠がありません。統一教会を応援してきたのが安倍元総理」と述べ、「岸田内閣退陣」と声をあげました。
国会前の国葬反対デモには、立憲民主党の近藤昭一議員らも参加し、「国葬を反対することは民主主義を守ることではないか」と訴えました。
日比谷公園を出発したデモが終了。参加者は主催者によると、約1000人でスタートしましたが、最終的には2500人にまで増えたということです。
日本共産党の志位和夫委員長は、国会前で行われている反対デモに参加し、「死者を最悪の形で政治利用するものであって、絶対に許すわけにはいかない」と訴えると、デモの参加者からは賛同の声があがりました。
九段坂公園の一般献花の列の最後尾が、四谷見附交差点のアトレ横までのびています。
海外要人らの献花が始まる。演奏曲が「アメイジング・グレイス」に変わる。演奏は航空自衛隊中央音楽隊。
自民党本部に設置された献花台にも訪れる人たちが。午後6時まで設置されます。
公明党の山口代表は国葬後、記者団に対し「日本の国際社会における存在感を高めた安倍元総理の功績に改めて感謝し引き継ぎながら、国際社会の一員として平和と安定のために尽くしていかなければならない」と述べました。
一方で、国葬をめぐり国民の間で賛否が分かれていることについて、「国際社会の皆さんの方が率直に安倍元総理の仕事ぶりを評価してくれている。そのことをもっとストレートに理解が広がるように訴えても良かったのではないか」と指摘しました。
16:45 「何時間待たせるんだ」怒る参列者も
国葬開始から2時間半を過ぎましたが、武道館では参列者による献花が続いています。これに、参列中のある元参議院議員が、会場係員に対し「何時間待たせるんだ。何も案内されないでずっと待っている。待たせるなら言ってくれ」などと怒りをぶつける場面も。
安倍元総理大臣の側近として知られる自民党の萩生田政調会長は、国葬出席後、記者団に対し「安倍さんはもともと晴れ男を自負していましたけれど今日は本当に気持ちのいい秋晴れで、前向いて前進をしろといってるような思いを感じた」と述べました。
また、今後の国葬のあり方について「今回の事をスタディーケースにして、今後どう国民の皆さんに納得してもらえるか、国会議員の皆さんに理解いただけるのか、手続き含めてしっかり再検討することが望ましい」と述べ、法的にルールを作ることには否定的な考えを示しました。
自民党安倍派の塩谷立会長代理は国葬に出席した後、記者団に対し「できれば国民の皆さんにより多くのをご理解をいただけたらと思っているが大変素晴らしい国葬になった」と述べました。
一方で、安倍派の次の会長が決まっていないことについて、「国葬は一つの区切りだと思っている」とする一方、「具体的にどうするかはこの国葬が終わってから、しっかり検討する」と述べるにとどめました。
国葬を欠席した立憲民主党の泉代表は、記者団の取材に応じ、報道で国葬の様子を見たとした上で、「反対の声を上げて集まった方々だけではなく、全国で、映像を見ていた国民の中にも相当な違和感、疑問、あるいは反発というものがある中で、この国葬が行われたと思っている」と述べました。
泉代表は、「国葬のあり方ということについては、大きな課題、禍根を残した」として、来月召集される見通しの臨時国会でも今回の国葬の検証を行いたい考えを示しました。
また、「分断や反発を持ち込んでしまったというのは、本来、元総理を送る際のあり方としては正しくはない」と振り返りました。
国葬に参加した日本維新の会・馬場伸幸代表は、昭恵夫人の斜め後ろの席に座っていたと明かし、「菅元総理の弔辞の際には、感極まった表情をされておられたことが印象的だった」と述べました。
また、反対デモに参加した他の野党について「人の死を政局に利用することは間違っている」とした上で、「この間、国民を分断する一部の政党の議論が、国葬議そのものを貶めてしまったと思う。何より昭恵夫人はじめ、御遺族がどういう気持ちで過ごしてきたのか、心が痛む気持ちにもなった」と述べ、国葬の基準とルールの必要性を改めて強調しました。
自民党の石破元幹事長は国葬に出席した後、記者団に対し「菅さんの弔辞がすごく良かった」「国葬だろうが党葬だろうが意義がすごくあったと思う」と述べました。
一方で、国葬をめぐり国民の間で賛否が分かれていることについて、「国葬のみならず、色々なことを決めていく上において議会との関係を政府としてどうしていくかよく考えることが必要だ」と述べるにとどめました。
自民党の世耕弘成参院幹事長は、国葬に出席したあと、記者団に対し、「いろいろあった中でぶれずにしっかりと執り行ってくれた岸田総理はじめ政府関係者に心から感謝を申しあげたい」と評価しました。
また、国葬の開催を巡り世論が二分したことについては「今回のことを踏まえて、今後、基準作りやルール作りをしっかり政府あるいは国会・与野党で議論をしていけば良いのではないか」と述べました。
国民民主党の玉木代表は、国葬に出席した後、記者団に対し、「特に官房長官として長く安倍元総理に仕えた菅元総理の挨拶は大変心を打つものだった」と語りました。
国葬では昭恵夫人のすぐ後ろに座っていたとのことで、「内外の多数の方が弔意を示されたことをしっかりと受け止められているような様子でしたので、一つの区切りがついたのではないか」と国葬実施の意義を振り返りました。
安倍元総理の盟友でもある自民党の甘利前幹事長は国葬後、「いいお別れができた。いまだに多くの人が実感を得られずにいられると思うが、次第に現実が認識されていくと思う」と述べました。
その上で安倍元総理について、「その場その場ではなかなか理解は得られなくても、あとになってよくぞその決断をしてくれたと言えるような判断を次々とされてきた。きっと歴史が判断してくれる名宰相だと思っている」と述べました。
安倍元首相の遺骨が武道館の会場を後に。退場時は海上自衛隊東京音楽隊が「花は咲く」を演奏。自衛隊員が礼をして見送る。
儀仗隊が整列する中、安倍元首相の遺骨が武道館を後にし、都内の私邸へ。岸田首相、松野官房長官らが見送り。
国葬が終わり、安倍元総理の遺骨を乗せた車が武道館を後にしています。
18:29 岸田首相の車列が迎賓館に入る。昭恵夫人も同行
安倍元首相の国葬が終了し、警備スタッフらは徐々に後片付けの作業に入りました。あるスタッフは、「やっと終わった。水なんか午前中から1本も飲んでいない。お疲れさまでした」と、さすがに疲れた様子。なお、武道館内には警備などの都合で飲料が持ち込めなかったため、会場の所々にウォーターサーバーが設置されていました。
アメリカのハリス副大統領の車列が迎賓館に入りました。車列は岸田首相車列の倍以上の台数です。
迎賓館では国葬に参列した海外政府要人に岸田首相らが次々と挨拶をしています。画像はアメリカのハリス副大統領。
19:10 国葬参列者は4183人(速報値)
政府は、安倍元総理の国葬の参列者について、4183人(速報値)であったと発表しました。
19:10 一般献花に訪れた人数は約2万3000人
政府は安倍元総理の国葬に合わせて、会場近くにある九段坂公園に一般献花に訪れた人数について、午後6時時点で、約2万3000人であると発表しました。