「企業・団体献金」で隔たりも… 政治資金規正法めぐる与野党協議始まる
石破首相が年内に政治資金規正法の再改正を目指す中、政治改革に関する与野党の協議が26日からスタートしました。焦点はどこになるのか。日本テレビ・政治部の長谷栞里記者が伝えます。
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最大の焦点は企業・団体献金の扱いです。限られた時間の中で議論がどう着地していくかは不透明です。自民党が呼びかけて開催された与野党協議には、7党の代表者が参加しました。立憲民主党の求めに応じてカメラ入りの全面公開での議論となりました。
自民党 渡海紀三朗政治改革本部長
「議員に対する渡しきりの支出、そして領収書もとらない、行き先がわからない、公表されない。この政策活動費については、明快に廃止ということを決定をさせていただきました」
立憲民主党 大串博志代表代行
「私たちとしては企業・団体献金の禁止、さらには政策活動費のきちんとした廃止。旧文通費の改革など、この辺は非常に大きな論点だというふうに思っております」
国民民主党 古川元久代表代行
「年内に実現するまで実現して法改正を実現すると。この約束は与野党共に守っていかないと。国民の皆さんの政治に対する信頼は回復できないんだと思います」
協議では、「政策活動費」については与党も野党も廃止で一致しているため実現する見通しです。一方、意見が分かれたのが「企業・団体献金」をめぐる扱いです。
――企業・団体献金の廃止について自民党が反対する理由はどこにあるのか?
自民党が他の政党に比べて収入に占める企業・団体献金の割合が高い現実があります。自民党幹部の一人が「企業・団体献金がなくなるときは自民党が終わるとき」と述べるなど、「譲れない一線」という声が党内では根強くあります。また「健全な民主主義の発展のために企業が社会貢献の一環として献金を行う自由はあるべき」との声もあります。
一方で、野党側は「金権政治の温床」「政党と企業の癒着の象徴」などと禁止を求めています。ただ、野党の中には温度差もあります。立憲・維新・共産・れいわは企業・団体献金の禁止を強く求めているのに対し、国民民主は「いきなり禁止にすると実効性に問題がある」などと「完全な禁止」には慎重な姿勢です。
野党の中でも意見の違いがある中で、今後の議論はどうなっていくのか?
自民党は28日から始まる臨時国会で政治資金規正法を再改正し、年内に政治とカネの問題にケリをつけたい考えです。取材をしていると、自民・立憲の両党共に「与野党で一致している部分のみ年内に再改正を行い、意見が分かれているものは来年に回すべき」との声が出ています。対立する問題でどこまで合意点を見いだせるかが今後の課題になります。