【秋田県知事選】告示まであと3日 立候補のめどが立っている2人の公開討論会 質問の応酬も…2人の公約や考え方は?
16年ぶりに新たな知事を決める県知事選挙の告示は、20日木曜日です。
あと3日に迫っています。
立候補のめどが立っている2人による討論会が、16日、秋田市で行われ、それぞれの公約や考え方などについて議論が交わされました。
217人が集まった、16日の討論会。
選挙期間を含めても、立候補予定者が直接論戦を繰り広げるのは、この日だけとみられていて、注目度も高くなりました。
60代 事務員
「秋田県をどう変えていくのか、その意気込みを見たいなと、肌で感じてきたいなと思って参加させていただきました」
10代 高校生
「どちらの候補者にこの未来の秋田県を託せば良いのかということを見極めに来ました」
「相手の批判し合いとかではなく、具体的な政策を交えた討論を期待しています」
30代 公務員
「お互いの考えをどれだけ曲げずに主張できるかというのを見ていきたいなというふうに思っています」
討論会は、日本青年会議所 秋田ブロック協議会が、知事選の投票率向上につなげようと開いたものです。
JC秋田 佐藤信暁 会長
「秋田への思いや未来について、また、2人の人柄などを皆様に感じていただければ幸いでございます」
立候補のめどが立っている2人を招いて行われた討論会。
鈴木健太氏が猿田和三氏に握手を求め、スタートしました。
討論会は、テーマごとに決められた時間内でそれぞれ考えを述べました。
【政策の優先順位】
猿田和三 氏
「第一に、所得を増やすということです。2つ目は暮らしを守る」
「いま、本県が直面している人口減少、少子化、これを解決するための基本は、なんと言っても経済力をつけてもらうと」
鈴木健太 氏
「最優先で臨むべき課題は少子化対策。2つ目は経済対策です」
「まだまだいまの状態の経済状況であっても、もっともっと潜在的にAターンで秋田に戻って来たいと思う、潜在的な秋田出身の子育て世代、相当たくさんいらっしゃいます。こういう人たちにまずは戻って来てもらう」
【経済対策】
猿田和三 氏
「売りは再生可能エネルギーです」
「私はぜひとも研究所を作りたいと思っています。秋田に行けば再生可能エネルギーの産業もあり、研究所もある。投資と人を世界から呼び込むと。なんと言っても再生可能エネルギーです」
鈴木健太 氏
「カーボンクレジット、これは山村だけではなくて、農地についても新たな収入源がいま始まっています」
「大量の山林ですね。農地を大量に持っている秋田県は、どんどんどん欲にいかしていって、農山村の所得もこれから上げていくということをしっかり進めていきたいと思います」
【観光振興】
猿田和三 氏
「インバウンドについて、台湾のチャーター便のお客さんだけではなくて、隣県に来ている定期便、チャーター便、このお客さんに、秋田に泊まりに来てもらうと。隣の空港の玄関に立って、秋田に来てください。ようこそ秋田へ。そのアプローチをしていきたいと思います」
鈴木健太 氏
「一番足りないのはマーケティングの視点ですよね。秋田県の強み、弱み、何なのかをちゃんと把握をして、それがどういうターゲット層に一番響くのか」
「いろんなコンテンツがあって、それぞれのコンテンツごとに、どういう国のどういう人たちがこういうのを好きなんだろうなと、解像度を上げていって、漠然とやるんではなくて、しっかりと的をしぼった観光振興策をする必要があると思います」
一方で、こんな質問も。
【互いの印象について】
鈴木健太 氏
「印象に残っているのはですね、コロナの時に、非常に飲食店が困っていると。で、私たち議会もそういう声を聞いて、届けていたんですけども、なかなかまん防の措置のね、県だとか、うんと言ってくれなかった時に、猿田さんにお話をしに行ったら『あ、そうか』ということで、もうご本人自らですね、一応危険という状況ではなかったんですが、ちゃんと飲みに行ってくれてですね。何件か回って話を聞いてくれたというようなことがあって、動いてくれる人だなという印象があります」
猿田和三 氏
「県(議)会議員の中でもですね、若手のホープで、論客だし、我々執行部側にとってはですね、なかなか手ごわくてです、いろんな質問されたり、意見をいただくといつもたじたじで、『頼むから健太さん黙っててくれ』と内心は思っておりました。ただ、自民党の執行役員もされていたので、そういう意味では交流もありましたし、コロナの時もですね、いろんな意見を交わして、こともできましたし、そういう意味ではまさかこんなことになるとは当時思ってもなく、あの3次会も楽しかったですよね」
討論会のハイライト。
互いに、政策で気になっていることについて質問しました。
鈴木健太 氏
「猿田さんの掲げられている政策、3本柱のうち、最低賃金目標を1.5倍というふうに書かれています。1.5倍という数字は元があってその1.5だと思うんですが、この最低賃金目標ということは、私、県でも見たことがないんですけども、いまがいくらで、とりあえず、それをいくらにするという話なんでしょうか」
猿田和三 氏
「今年いま、951円ですよね。1.5倍というのは、1500円。これは政府目標なんですよ」
「秋田県もそれは一緒に頑張っていくと。いうことでございます」
鈴木健太 氏
「いままで人口問題から少子化、様々なところで、私、目標、県は行政は定めてきました。でも、特に人口減少とか少子化、婚姻数とか目標達成したのが見たことないんですね。ここ10年。そういうつもりの目標、とりあえず掲げようという目標なのかということをお聞きしたいです」
猿田和三 氏
「とりあえずということもないですが、政府は2030年、向けて1500円と、いう目標を掲げています。それはやっぱり我々県としても、やっぱり目指していくべきであろうというふうに思っています」
司会
「はい、鈴木さんよろしいですか。猿田さん、鈴木さんに何かありますか」
猿田和三 氏
「はい。鈴木さんの一番の人口減少対策ということで、いわゆる社会増ですね。Aターン増で。人口減少、減を1000(人台)に目指すと。Aターン、いわゆる、ですね。Aターン対策と。具体的にですね。どのような対策を考えられているのか、教えてください」
鈴木健太 氏
「30歳、40歳、子育て世代になって帰りたいと思う人たち。ここにきちっとしぼって、地元に戻って、子どもを育てる良さであったり、そうしたものをPRをしていき、戻って来た時に、住居の支援、経済的な支援、こうしたものをしっかりとターゲット分析することによって、『あ、これなら戻ろう』と思ってもらえるようなもの。これをしっかりと準備していきたいと思います」
猿田和三 氏
「移住の政策がうまくいっている、減っているお話をいま、されていないです、認識的には」
鈴木健太 氏
「していないです」
猿田和三 氏
「秋田県は少なくとも、数は少ない、そんな多くないですけども、いま800人います。いわゆる移住の数は増えてきていると。いうことはどうでしょうか」
鈴木健太 氏
「猿田さん、秋田県移住とAターンとそれぞれカウントされるのはご存じですか」
猿田和三 氏
「うん。それぞれっていうか、移住の数は去年800人、850ですね、その数は少なくとも、そこだけ見ると少しずつでは上向いてきてますよね、はい」
鈴木健太 氏
「実際、そこのカウントは増えてはきているんですが、いいことですよ。それはいいことなんだけども、全体的として社会減については、それもちょっと成果としては減少になっているんですが、そこをちゃんと区別しないと、簡単に良くなっているっていうふうには言えないと思います」
約90分にわたって行われた討論会。
2人の政策や考えを比較する、貴重な機会となりました。
10代 高校生
「いろんなやり方があると思うんですけど、様々な視点から秋田県をより良い方向に導いてくれそうだなと思いました」
30代 公務員
「2人のビジョンも共感できるところもありましたし、お人柄もすごく伝わってきたので、非常にいい判断の材料になったなというふうに感じています」
60代 事務員
「各候補者の声が、考え方、これからの秋田の行き方をすごく熱く語っていただいて、よし投票に行こうと思いました」
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
16日は、ほかにも様々なテーマで討論が行われ、その模様は、秋田放送のニュースサイトでも見ることができます。
県政のかじ取り役を誰に託すのか。
有権者は、候補者の政策をしっかり吟味して、一票を投じる必要があります。