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【詳報】防災力強化やクマ対策などを盛り込んだ5773億円の秋田県新年度当初予算案を内示

2025年1月27日 18:16
【詳報】防災力強化やクマ対策などを盛り込んだ5773億円の秋田県新年度当初予算案を内示

県は一般会計の総額がおよそ5773億円の新年度当初予算案を県議会に内示しました。

春には新しい知事が就任する予定で佐竹知事は「次の知事がいろんなことができるように財政を健全な形で渡す」と説明しました。

任期満了まで3か月を切っている佐竹知事。今の任期で退任する意向を示していて、4期16年にわたった県予算の編成はこれが最後です。

佐竹知事
「年度当初からすぐに着手する必要ある事業、これを中心に、安全安心の重視をする政策予算というそんなふうな方向性で取りまとめてございます。」

県が県議会に内示した新年度の当初予算案は一般会計の総額でおよそ5773億円です。この春に新たな知事を決める選挙が控えているため、新規事業を抑えた“骨格予算”で今年度の予算に比べ69億円、率にして1.2%少なくなりました。

歳入

【歳入】県税
まずはこの予算を執行するのに必要な県の収入=歳入についてみていきます。個人や法人が納める県税は1021億円です。県民税と地方消費税の増収で今年度より63億円増えています。

【歳入】地方交付税
国からの地方交付税は歳入全体の3分の1を占める1954億円です。

【歳入】県債
そして、県の新たな借金=県債は497億円で今年度から69億円減少しています。それでも来年度末の県債残高は1兆2129億円の見込みで、県民1人あたりおよそ136万円の借金があることになります。

歳出

【歳出】人件費
続いては県の支出=歳出です。人件費は1348億円。職員の定年延長のため退職手当が45億円減少したことから今年度より20億円減りましたが、職員の基本給とボーナスにあたる手当は合わせて16億円増えています。

【歳出】公共事業
公共事業は継続して行われてきた災害の復旧事業が終了したものもあり、129億円減って881億円となっています。

【歳出】一般行政経費
公共施設の管理運営や事業の実施費用などにあたる一般行政経費は最も割合が大きく1665億円です。県が金融機関を通じて県内企業に融資をする県制度資金貸付金や、公立学校でのタブレットの整備事業などがかかり増しになり今年度から102億円増えています。

事業内容

続いては具体的な予算の使い道、事業の内容についてです。

新規事業としては県の防災力強化の一環として水を再利用して使用できる簡易シャワーや、炊き出し用の移動式キッチンの購入費用に6415万円。

さらに災害発生時にボランティアの受け入れ調整などを行う団体への活動支援費用に2240万円を計上しています。

夏の暑さへの対策も。猛暑でも農作物の品質や収量を確保できる栽培技術の普及事業として1353万円を配分しています。

従来のコメに加えて、エダマメやダリア、それに比内地鶏など高温の影響を受けやすい農産品や畜産品の対策を実施します。

また、県が2028年9月の開館を目指している新たな県立体育館については設計・建設は民間主導で行う=PFIの手法を取り入れるとしていて、設計など準備の費用として20億円余りを計上しています。

新規事業以外には市街地への出没が相次ぐツキノワグマの対策費用を拡充し、今年度より6500万円余り多い2億8520万円を充てています。市町村が捕獲用のおりや電気柵を購入する際の支援やハンターの育成・確保にむけ銃と弾丸の購入や免許取得を支援します。

医療・福祉や雇用につながる産業の育成、農林水産など6つの重点戦略を柱に、防災やクマ対策の事業を盛り込んだ形の当初予算案。最後の予算編成に一区切りが付いた佐竹知事は。

佐竹知事
「次の知事さんがね、自分の考えでいろんなことを展開できますように、まずは財政問題、これを健全な形で渡すというこれが一番かなと。」

新年度当初予算を審議する県議会は来月3日に開会します。

なお、物価高騰対策や冬の観光客誘致事業などを盛り込んだ465億円余りの補正予算案も27日、県議会に内示されました。

最終更新日:2025年1月27日 18:38
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