【解説】松野官房長官の進退は? “裏金疑惑”に具体的説明なく
自民党・安倍派の政治資金パーティーを巡る問題で松野官房長官側が5年で1000万円を超える収支報告書に記載のないキックバックを受けていたとみられることが関係者への取材でわかりました。この問題どうなるのか。日本テレビ政治部、官邸キャップの平本さんに聞きます。
◇
――松野長官は「政府の立場では答えるべきでない」とこの理屈は通じるのでしょうか?
通じない、と思います。
松野長官は官房長官という政府のスポークスマンの立場から「政府として答えは控える」と説明しています。
松野長官は同時に、「いち政治家」でもあります。
過去には2009年。政治とカネの問題で当時の鳩山首相が「いち政治家」として官邸でなく都内のホテルで会見を行った。
また、7日、岸田首相は政府と関係ない自身の派閥のことを官邸でインタビューに答えました。
官邸で政府と関係ないことを説明するケースもあれば、場所が気になるなら官邸以外で説明することもでき、松野長官だけ「政府として答えを控える」という理屈は通りません。
――松野さん自身の問題が追及される事態に発展した。辞任しなくて持つのでしょうか?
状況は、なかなか厳しいと言えます。
取材する国会議員の多くが「もう辞めるしかない」と。ある自民党幹部は「もし、特捜部の聴取をうける事態になれば辞めざるをえない」とも話しています。
――そんなに「厳しい」と言っているのになぜ辞めないのでしょうか?
辞められない2つの理由があると思います。
1つは、松野さんが政権にとって大事な存在だということです。
官房長官は首相に次ぐ、実質No.2ポストです。「辞任」となればある閣僚経験者は「官房長官は政権の骨格。辞めれば政権はもたない」と指摘しています。
――大事な存在だから辞めさせられない、と。もう1つの理由は?
松野さんが仮に辞任しても「着地点が見えないから」です。
安倍派のお金について知っているのは事務総長ですが、このポストについていたのは松野さん以外にも西村経産相や高木国対委員長といったみな政権の屋台骨です。
ある閣僚経験者は「松野長官が辞めても次は誰か、という話になる」と。臨時国会も来週会期末を迎える中で、ある意味「防波堤」になっていて辞めるにしてもタイミングも難しいとも言えます。
――岸田政権、ただでさえ支持率低い中で今後、どうなるのでしょうか?
政権発足以来、最大のピンチを迎えていると言って、いいと思います。
「所得減税」は評価が低く支持率は下がり政権維持が難しい領域にまできました。
ただ、野党の支持が伸びないこと、自民党内のポスト岸田も不在などの理由で「緊迫感」まではなかった。
ただ、今回の問題で雰囲気は一変しました。
自民党内には「人事を行うことはもちろん、年内の総辞職だってあり得る」という声さえも上がってきています。
岸田首相は「今は、耐えるしかない」と周辺に話していますが、事態を打開する方策が見えない非常に厳しい状況と言えます。
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――松野長官は「政府の立場では答えるべきでない」とこの理屈は通じるのでしょうか?
通じない、と思います。
松野長官は官房長官という政府のスポークスマンの立場から「政府として答えは控える」と説明しています。
松野長官は同時に、「いち政治家」でもあります。
過去には2009年。政治とカネの問題で当時の鳩山首相が「いち政治家」として官邸でなく都内のホテルで会見を行った。
また、7日、岸田首相は政府と関係ない自身の派閥のことを官邸でインタビューに答えました。
官邸で政府と関係ないことを説明するケースもあれば、場所が気になるなら官邸以外で説明することもでき、松野長官だけ「政府として答えを控える」という理屈は通りません。
――松野さん自身の問題が追及される事態に発展した。辞任しなくて持つのでしょうか?
状況は、なかなか厳しいと言えます。
取材する国会議員の多くが「もう辞めるしかない」と。ある自民党幹部は「もし、特捜部の聴取をうける事態になれば辞めざるをえない」とも話しています。
――そんなに「厳しい」と言っているのになぜ辞めないのでしょうか?
辞められない2つの理由があると思います。
1つは、松野さんが政権にとって大事な存在だということです。
官房長官は首相に次ぐ、実質No.2ポストです。「辞任」となればある閣僚経験者は「官房長官は政権の骨格。辞めれば政権はもたない」と指摘しています。
――大事な存在だから辞めさせられない、と。もう1つの理由は?
松野さんが仮に辞任しても「着地点が見えないから」です。
安倍派のお金について知っているのは事務総長ですが、このポストについていたのは松野さん以外にも西村経産相や高木国対委員長といったみな政権の屋台骨です。
ある閣僚経験者は「松野長官が辞めても次は誰か、という話になる」と。臨時国会も来週会期末を迎える中で、ある意味「防波堤」になっていて辞めるにしてもタイミングも難しいとも言えます。
――岸田政権、ただでさえ支持率低い中で今後、どうなるのでしょうか?
政権発足以来、最大のピンチを迎えていると言って、いいと思います。
「所得減税」は評価が低く支持率は下がり政権維持が難しい領域にまできました。
ただ、野党の支持が伸びないこと、自民党内のポスト岸田も不在などの理由で「緊迫感」まではなかった。
ただ、今回の問題で雰囲気は一変しました。
自民党内には「人事を行うことはもちろん、年内の総辞職だってあり得る」という声さえも上がってきています。
岸田首相は「今は、耐えるしかない」と周辺に話していますが、事態を打開する方策が見えない非常に厳しい状況と言えます。