5度目の挑戦で悲願… 石破茂氏、逆転“総裁の座”に
自民党の総裁選は27日午後、決選投票が行われ、5回目の挑戦の石破茂氏が勝利し、新総裁に選ばれました。1日の動きを、振り返ります。
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27日夜、石破氏は5度目の正直でついに、自民党総裁の椅子に…
──石破新総裁!椅子の座り心地は?
石破茂新総裁(67)
「こんなもんなんですかねぇ。初めて座りました。これは座っちゃいかんという椅子でしたから」
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事実上、次の首相となる石破茂新総裁。9人が乱立した異例の総裁選の投票は、27日午後1時に始まりました。
「議員投票を行います」
国会議員票と、党員票、合わせて736票で争われる総裁選。過半数に届かない場合、上位2人による決選投票となります。投票直前に呼びかけられていたのは…
「携帯電話、スマートフォンの使用は禁止とさせていただきます」
携帯電話で暗号を使って、誰に投票するのかを相談するといった話も出ていましたが、それを阻止する思惑もあるのでしょうか。ただ、従わずに電話をする議員も…隣の議員が止めに入っていました。
“三つどもえの戦い”が予想されていた今回の総裁選。結果は1位が高市氏。2位は石破氏。3位の小泉氏は、決選投票に残ることはできませんでした。
そして、決選投票が行われ…
「合計は、高市早苗君194票、石破茂君215票であります。よって石破茂君をもって当選者と決しました」
決選投票で石破氏が21票差で高市氏に逆転勝利しました。
地元、鳥取県で総裁選を見守っていた妻・佳子さんは…
石破茂氏の妻・佳子さん
「お世話になりました。どうもありがとう」
「いい日本を築いていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございます」
僅差で敗れた高市氏は…
高市早苗氏(総裁選終了後)
「結果を出せずにすいません。今後の予定については、まだ申し上げられる状況ではございません」
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石破新総裁
「この日本国をもう一度、皆が笑顔で暮らせる、安全で安心な国にするために、石破茂、全身全霊を尽くしてまいります」
銀行員を経て、初当選は当時最年少の29歳。
石破茂氏(当時29)1986年
「候補者が本当に至らないことで、みなさんに大変ご迷惑おかけしましたけれども…」
衆議院・鳥取1区選出の当選12回。 “党内野党”と呼ばれたこともある一方、防衛相、農水相、党の幹事長など要職を歴任しました。
また、石破氏といえば…
石破茂氏(2020年放送、BS日テレ「深層NEWS」より)
「信頼を旨とします。叡山電鉄同様に、今年も励んでまいりたいと思います」
“鉄道オタク”の一面や、 “アイドル通”としても知られています。有名な「魔人ブウ」のコスプレをしたことも…。
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石破新総裁に、“市場も反応”。
記者
「一気に円高が進み、143円台となっています」
1回目の投票で、利上げに否定的な立場の高市氏がトップとなり、146円台まで進んだ円安から一転。逆に円高方向に進みました。
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北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母・早紀江さんは…
横田めぐみさんの母 横田早紀江さん(88)
「すぐにでも(拉致問題を)一番にやっていただきたい。大事なことが多いから、難しいかもしれないけど、生命の問題は別ですからね」
高市氏との、まれにみる接戦を制した石破氏。何が、勝敗を分けたのでしょうか…?
──石破氏の勝因は?
日本テレビ政治部 平本典昭・官邸キャップ
「カギを握った1人が岸田首相です。周辺に『高市さんだと衆院選は勝てない』と石破さんを支持する姿勢を示していました。さらに、旧岸田派の議員に対しても、決選投票では石破さんを応援するよう指示をしていたということです」
「ほかにも高市さんでは次の衆議院選挙は厳しいと思った議員が、石破さんに投票したとみています。といいますのも、選挙戦で他の陣営からは『高市さんは裏金議員に甘い姿勢だった』と。『衆院選で野党に攻撃材料を与えてしまう』と、不安視する声が出ていました」
“選挙の顔”として期待を受けた石破氏。国民に信を問う、衆議院の解散・総選挙について問われると…
石破茂新総裁(67)
「(Q.衆議院いつ解散?)野党とも論戦を交わしたうえで、ご判断をいただきたい。なるべく早く審判をたまわらなくてはならない。その2つをあわせて、適切な時期を判断したい」
(9月27日放送『news zero』より)