「天皇訪中」宮沢首相が決断ためらう~外交記録公開
外務省が公開した外交記録の文書で、1992年当時の天皇陛下の中国訪問をめぐり、当時の宮沢首相が決断をためらっていたことが明らかになりました。
文書によりますと、1992年の日中国交正常化20周年にあたり、当時の天皇陛下、上皇さまの訪中をめぐって、当時の宮沢首相が自民党や国内世論の「天皇を政治に巻き込むべきではない」との反発を懸念し、外務省とのやりとりで、最終決断をためらっていたことがわかりました。
また、これに対して当時の渡辺外相と外務省幹部が「宮沢総理がぐらぐらし始めているらしい」「宮沢はいざとなると度胸がない」などと会話していたことも明らかになりました。
一方、宮沢首相は「党内や国民に亀裂が生じるような形で実施したくない」「腹を決めないのは、だらしがないと言う人がいるが、本件はそういう性格の問題ではない」と主張していました。
調整が続けられた結果、宮沢内閣は8月に「天皇訪中」を決定し、10月に訪問が実現しました。