【解説】「夏の挑戦」東京都知事選挙…蓮舫氏ほか“過去最多”40人以上が立候補表明 小池都知事は12日に出馬表明へ
東京都の小池知事は12日、知事選への立候補を表明する見通しです。都議会の最終日というタイミングで表明する理由は何なのでしょうか。
――明日の本会議でどんな発言をする? 出馬表明なのでしょうか?
東京都 小池知事
「2期8年務めてまいりました。議員の皆様にも職員の皆さんにも本当にお礼を伝えたい」
11日も都知事選には言及しなかった小池都知事ですが、関係者への取材で12日、立候補を表明する見通しであることがわかっています。
当初は都議会の定例会初日にも表明するとの見方もありましたが、小池知事の周辺からは「蓮舫氏の突然の出馬表明を受けて取りやめたのでは」との声も聞かれました。
結局、議会最終日での表明となる見通しです。
対照的に2週間以上前に立候補を表明した立憲民主党の蓮舫参議院議員。実は、今月2日の演説内容にある指摘が…
都知事選に出馬表明 蓮舫氏(今月2日)
「七夕に予定されている東京都知事選挙に蓮舫は挑戦します。皆さんのご支援、どうかよろしくお願いします」
この発言が公職選挙法で禁じられている告示前の「事前運動」にあたるのではないかと指摘されているのです。
――専門家の中でも(発言は)グレーではないかと指摘あるが
都知事選に出馬表明 蓮舫氏(今月8日)
「政治活動の発言です」
――白か黒かで言えば白?
都知事選に出馬表明 蓮舫氏(今月8日)
「政治活動の発言です」
こうした指摘を意識してか、9日の街頭演説では…
都知事選に出馬表明 蓮舫氏(今月9日)
「皆さんこんにちは。『蓮舫は批判ばかり』と批判されている蓮舫です」
投票日を示す「七夕」という言葉は封印し…
都知事選に出馬表明 蓮舫氏(今月9日)
「だから私は記者会見で夏の挑戦を言わせていただいたときに…」
都知事選を「夏の挑戦」と言い換えていました。
過去最多の候補者が立つことが予想される都知事選。“夏の勝者”は、一体誰に…?
藤井キャスター
「来月7日の『七夕決戦』にむけて早くも盛り上がりを見せる東京都知事選挙ですね、小栗さん」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「3期目を目指す現職の小池百合子知事。そして、その小池氏に戦いを挑もうと『反自民・非小池』を掲げているのが、立憲民主党の蓮舫参議院議員です。東京都知事選の有権者は1150万人以上と巨大な選挙です。参考までにこれまでの両者の得票数を見てみますと、前回2020年の都知事選で再選を果たした小池知事の得票は『約366万票』。一方、蓮舫氏が参議院選挙の東京選挙区で獲得した票を見てみますと、過去最も多く得票したのが2010年の約170万票、直近の2022年は約67万票でした。この数字、都知事選とは前提が違いますので、小池氏との比較は出来ませんが、ただ、蓮舫さん自身の得票としてみたときに、一時の人気に陰りが見えるのではという声も聞かれます」
藤井キャスター
「もともと現職有利ということも言われますし、小池さんに分があるように見えているんでしょうか?」
小栗解説委員
「たしかに、都知事選ではこれまで現職が立候補したときに一度も負けたことがないのです。今回はどうでしょうか。政党の支援で見ますと、蓮舫氏は立憲民主党と共産党が支援しているのに対して、小池知事が立候補した場合、自らが特別顧問を務める都民ファーストの会と自民党の東京都連、そして公明党が支援する方針です」
「ただ、自民党には今、裏金問題などで逆風を受けています。実際、蓮舫氏は9日の演説でも『裏金議員を生んだ自民党が支援する人には絶対に負けたくない』と声を張り上げていました。小池氏の周辺からは、『自民党との関係は難しい。今は小池と蓮舫が戦っているのではなくて、小池と自民党がどういう距離感をとるかの戦いになっている』。都民ファーストの会関係者からも『小池氏はこれまでで一番厳しい戦いになるだろう』といった声が聞こえてきます」
藤井キャスター
「そして、この都知事選、2人だけの構図ではなくて、ほかにも多くの人が立候補を表明しているということですが、都庁前の大町さん」
大町怜央キャスター
「はい、都庁前にも『選挙ポスターの掲示板』がすでに設置されています。今回の都知事選、現時点で広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏。元航空幕僚長の田母神俊雄氏など、すでに40人以上が立候補を表明しています」
「ただ、掲示板を見てみますと、数字が1から30までしかないように見えます。これだと全員分のポスターを貼れないのではないかと思いますが、実は枠線の途中に小さい数字も振られています。小さい数字を見ると、『48』が最も大きい数字になっています」
「東京都の選挙管理委員会によると、今回は立候補者が増えそうだということで、あらかじめ48人までポスターを貼れるように枠を増やしたということです。ただ、選挙管理委員会から立候補に必要な書類を受け取った人は『68人』となっていて、この全員が立候補するかはわかりませんが、立候補者数は過去最多となる可能性が高いです」
藤井キャスター
「ポスターが貼り切れなかったらどうするんですか?」
大町キャスター
「都の選挙管理委員会によると、『進捗を見ながら考えていく。現状、お話しできるような対応策はないんです』ということだったんですが、告示日までに枠をさらに増設する必要もあるかも知れません」
藤井キャスター
「立候補者がかなり増える予想になっていますが、増えるとこの2人(小池氏と蓮舫氏)のどちらに有利だとか、影響はあるんでしょうか?」
小栗キャスター
「もちろん、どういう主張の人が立候補するかにもよりますから、必ずしも候補者の人数が増えたからといって、どちらに有利ということはないかと思います。政党の支援を陰に日向に受けていること、それから過去の実績ですとか知名度を考えれば、今のところこの2人を軸とした戦いで、当選ラインは200万票台になるのではという見方が一般的です」
藤井キャスター
「波瑠さんも東京ご出身ですが、どんな東京になってほしいと思っていますか?」
俳優 波瑠さん(『news zero』火曜パートナー)
「特に都心部は便利ですし、人は集まりますけれど、『個』が尊重されてないのかなと感じることがあって、『どうせ自分の一票なんて』という意識にもつながっているのかなと思います。私の周りには結婚して東京からあえて離れるという選択をした人もいて、若い世代が家庭を持ちやすく未来をイメージしやすい東京になってほしいなと思います」
藤井キャスター
「都知事選は来週20日に告示、来月7日に投開票です」
(6月11日放送『news zero』より)