柿沢議員「違法性の認識なく」 違法な有料ネット広告…江東区長への提案認める
10月31日に法務副大臣を辞任した自民党の柿沢未途・衆議院議員。きっかけは東京・江東区長選挙の期間中、支援する陣営が違法に有料広告をインターネットに出したとされる事件。この区長が「柿沢議員から勧められた」と東京地検特捜部に話していることが関係者への取材で新たにわかりました。
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――一言お願いします!
自民党の柿沢未途議員。10月31日に法務副大臣を辞任しました。そのきっかけとなったのが、柿沢氏と並んで写真に収まる江東区の木村弥生区長です。公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受け、11月15日付で区長を辞職します。
江東区 木村弥生区長(※今年4月、選挙期間中の投稿)
「江東区長選挙は木村やよい、クリーンな区政、木村やよい」
木村区長は、SNSなどでも選挙運動をしていました。
今年4月の江東区長選挙の際、動画投稿サイトに法律で禁止されている、候補者の名前を表示した有料広告を出した疑いがもたれています。
江東区 木村弥生区長(10月26日)
「今回のYouTubeのことでご心配おかけしたことに関して、非常にじくじたる思いがいたします」
広告は「支援者からの提案だった」と議会で説明していました。この広告を出す提案をしたのが、木村区長を支援していた柿沢未途議員だと、柿沢氏本人が話しているということです。
今年5月に木村区長が初登庁した際には、オレンジ色のネクタイを締めた柿沢氏が駆けつけ、笑顔で拍手を送っていました。
その後の関係者への取材で、木村区長が特捜部の任意の調べに対し「柿沢さんから『他でうまくいったからやった方がいいよ』と勧められて、それに基づいてスタッフに指示した」と供述していることが新たに分かりました。
柿沢氏から、「他でうまくいったから」と勧められたといいます。
柿沢氏は、木村区長に有料のネット広告を出すことを提案したと認め、10月31日に法務副大臣を辞任しましたが、「違法性の認識はなかった」と説明しています。
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副大臣・政務官は、9月の内閣改造で人事を一新したばかりでした。
政務官を辞任した山田太郎議員(10月26日)
「妻以外の女性と男女の仲になったという点は事実です」
不倫を認め、文部科学大臣政務官を辞任した山田太郎議員に続き、この1週間で2人目の辞任となりました。
「任命責任を感じている」と話した岸田首相に11月1日、野党からは――。
共産党 山添拓議員
「(柿沢氏の)議員辞職については、必要ないとお考えだということですか」
岸田首相
「私が判断したのは法務副大臣の辞職についてであります。それ以上の判断はしておりません」
与党・公明党からは――
公明党 高木政調会長
「政務三役になる前の出来事でありましたし、しっかりと認識しないで任命した部分もあったのかもしれません。ただ、これは政治家がしっかり説明する責任があると思いますので」
柿沢氏自身に説明責任があると強調しました。
(『news zero』より)